秩父市:特定地域排水処理施設

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経営比較分析表(2016年度)

経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率、④企業債残高対事業規模比率当市の特定地域生活排水処理施設事業の使用料金は定額制を採用し月1,100円(税抜)と低く設定しているため、平成28年度における使用料単価は55.5円/m3となり、国が要請する全国平均の使用料単価150円/m3の3分の1程度となっている。したがって、分流式下水道に要する繰出金等、基準内の繰入金を受けることができず、資本費に対し基準外の赤字補填繰入金で経営を維持している現状である。収益的収支比率が低いのは、そのためである。当該事業の資本費に対する地方財政措置(公費負担分)は制度上約7割となっている。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価当市では、維持管理費のうち法定点検費用は負担しているが、浄化槽清掃費用は各戸で使用者が直接負担しているため類似団体に比べ汚水処理原価は低くなっている。使用料収入で汚水処理に係る維持管理費分を賄えていないため、資本費の全額と維持管理費の不足分を一般会計からの赤字補填の繰入金によって経営を維持している現状である。⑦施設利用率浄化槽は設置当初に想定される人数に応じて槽の大きさを選択している。また、人口減少に伴い使用休止になった浄化槽もあり、6割程度の施設利用率になってしまう。

老朽化の状況について

当市の特定地域生活排水処理施設事業は、平成11年度から整備を開始し、最も古いもので18年が経過している。法定耐用年数が15年であることから、近年は故障等のトラブルが発生してきている。故障等のトラブルについては、浄化槽の交換ではなく修繕で対応でき、補助金や起債を財源にできないため財源の確保を検討しなければならない。

全体総括

当市の特定地域生活排水処理施設事業は、平成11年度から整備を開始し、公共下水道事業や農業集落排水事業などの集合処理では採算が取れない地域の生活環境保全に寄与している。現在も汲み取り槽や単独処理浄化槽からの転換や新築家屋への合併処理浄化槽の新設など毎年100基程度実施している。健全な経営を維持していくために、一般会計からの繰入金や使用料収入などの財源確保を総合的に検討していく必要がある。

類似団体【K2】

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