経営の健全性・効率性について
①使用料収入、一般会計繰入金等の収益で維持管理費や企業債支払利息はほぼ賄えている。ただし、経費回収率は35%程度なので収益の大部分は一般会計からの繰入金となっている。③流動資産(現金等)が流動負債(1年以内の支払額)に対して約3倍あり、短期的な債務に対する支払能力は確保されている。④企業債は一般会計が負担することとしているので、比率は0となっている。⑤供用開始から間もないため、今後、経費回収率の増加を見込んでいる。徐々に使用料収入が増えているが、使用料収入で賄えない費用については、一般会計繰入金を充当している。⑥現状は類似団体と同程度の数値となっているが、接続者の増加に伴い年間有収水量は増加しているので、今後、低下を見込でいる。⑦下水道接続が増加し、管渠整備も継続していることから処理水量も増加し、施設利用率が増加している。しかし、事業認可を受けている未整備処理施設があることから、引き続き接続率の向上を図り施設利用率向上に取組む必要がある。⑧水洗化率接続率増加に伴い汚水処理人口は増えているが、管渠の新設工事により処理区域内人口も増加しているので水洗化率は微増である。
老朽化の状況について
平成17年3月に事業着手し、平成25年4月に第1期地区が供用開始した比較的新しい施設なので、管渠については老朽箇所はないが、電気機械設備等の耐用年数が短い資産については、定期的な点検や修繕により長寿命化を図っている。
全体総括
下水道接続者の増加により有収水量と料金収入が徐々に増えているが、経費回収率や汚水処理原価は前年と比較してほぼ同じ値であるため、汚水処理費の抑制を考慮する必要がある。経費回収率の数値からもわかるように、収益の大部分は一般会計からの繰入金によっているので、水洗化率を向上させ料金収入の増加を図っていく。今後も整備区域の拡大により料金収入の増加は見込まれるが、維持管理費の削減や接続率の向上により経営の改善を図る。