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基準財政需要額においては前年度比3.2%増となっているが、基準財政収入額において前年度比3.6%減となっているため、その結果、財政力指数において0.03ポイントの減となった。また、東日本大震災の影響により、人口の特例措置が設けられているためほぼ横ばいとなっているが、今後の見通しは不透明であり、業務の効率化や一般財源の確保に努め、財政の健全化を図る必要がある。
東日本大震災以降、町税等の経常一般財源が確保できない中、震災復興特別交付税等の臨時一般財源に頼った財政運営となっていることにより、依然として財政構造が硬直化した状態が続いている。
前年度に引き続き、復旧・復興事業に関する人件費や物件費の増加により依然として高い値で推移している。また、東日本大震災以降、住基人口は年々減少の一途をたどっており、震災時21,434人の人口に対し、令和2年3月31日現在は4,456人減の16,978人であり、当面は分母の人口が大幅に上昇することは困難であると思われる。今後も復旧・復興事業需要は継続し、当面の間横ばい傾向で推移していく見通しである。
東日本大震災以降、早期退職者を含む退職者の増加により、職員の年齢層が低年齢化しており、それに伴って平均給与額が減少した結果、ラスパイレス指数は年々減少傾向にある。今後も、国・県の動向に準じて100以下の水準を維持していく。
通常業務に加え、復旧・復興事務に対応する必要があることから、正規職員のみならず、任期付職員や応援職員の受入れにより、必要な人員を確保しているため、全国平均及び福島県平均をやや上回っているが、類似団体内順位では全国最小となっている。今後は、業務の民間委託等の効率化や、復旧・復興事業の進捗に合わせた適正な定員管理に努める。
将来負担比率は検出されなかった。この要因としては、新規起債の抑制による地方債現在高の減及び復旧・復興事業に係る交付金の基金化による財源の増が挙げられる。しかし、基金については特定目的基金のため、復旧・復興事業の進捗に伴って減少するものであることから、将来負担比率の非検出は一時的なものとして捉え、今後注視していきたい。
前年度比0.8ポイント減となっており、全国平均及び類似団体平均を下回る結果となったが、町内公共施設等の管理業務などについては依然として事業を継続する必要があり、また、今後の復旧・復興事業において施設が増加する可能性があることから、今後も横ばい傾向となることが予想される。
東日本大震災において亡くなられた方や重度の障害を受けた方、津波被災世帯等に対して支給された災害弔慰金・災害障害見舞金・津波被災者見舞金などの震災関連の費用が減少傾向にあることから、扶助費の経常収支比率は改善されている。
全国平均や類似団体平均を大きく上回る数値となった。主な要因としては、繰出金の増額によるものである。東日本大震災以降、復旧・復興事業が大規模化していることもあり、赤字補てん的な繰出金が見られるため、各種事業の見直しや適正化を図るとともに、経常一般財源の確保に努める。
経常一般財源の大部分を占める地方税の減免・課税免除措置が継続していることから、経常収支比率は全国平均及び類似団体平均を上回る数値となった。今後も町民に対する各種助成金などの増額が見込まれることから、経常一般財源の確保に努める。
新規借入の抑制により、平成24年度以降減少傾向にある。令和元年度においては2.8ポイント減となり、類似団体平均を下回る結果となったが、引き続き財政健全化に留意しつつ減少させていく。
公債費以外に係る経常収支比率は、全国平均及び類似団体平均上回っており、非常に高い値となっている。平成29年3月31日に一部地域の避難指示が解除され、町内の公共施設における維持管理費用等の増が見込まれることから、今後も同程度もしくはそれ以上の高い値で推移していくと考えられる。そのため、経費の節減・合理化により、効率的な行政運営を図ることで経常収支比率の改善に努める。
(増減理由)復旧・復興事業の増加に伴う浪江町帰還環境整備交付金基金の積立て(7,506百万円)や原発事故の影響に対する町の行財政運営の長期的な安定化を図るために設置された行財政長期安定化基金の積立て(1,247百万円)などにより増加した。(今後の方針)東日本大震災以降発生している多くの復旧・復興事業は、国県支出金(復興財源)により賄っているものであり、復旧・復興事業の進捗状況により減少していくものであるため、基金残高全体は徐々に縮小する見込みである。
(増減理由)前年度歳計剰余金の積立てにより増加した。(今後の方針)東日本大震災以降、当町の事業の大半が復旧・復興事業に係る大型の建設事業や複数年にわたる継続事業等を占め、それら事業は国県支出金(復興財源)で賄われているが、ハード面の整備事業終了後は施設の管理・運営業務が発生し、その多くは一般財源で賄うこととなるため、財源不足が懸念される。加えて、経常収支比率は97.8%と硬直化した財政状態となっており、人口も震災当時21,434人であったが、令和2年3月31日現在では16,978人まで減少しているため、経常一般財源の確保が今後一層厳しくなることが予想される。このことから、今後は財源不足に備えていく必要がある。
(増減理由)横ばいで推移している。(今後の方針)近年は、起債の新規借入の抑制や償還の進捗等により元利償還金残高が年々減少しているため、公債費が経常収支比率を占める割合も減少傾向にある。しかし、町民税をはじめとする経常一般財源の確保がより厳しくなることが想定されるため、今後の償還に備えておく必要がある。
(基金の使途)浪江町帰還環境整備交付金基金:福島再生加速化交付金を財源とする復旧・復興事業を使途目的とした基金である。浪江町復旧・復興基金:復旧・復興に関するソフト事業(住宅支援事業、避難生活支援事業、賠償支援事業等)を使途目的とした基金である。行財政長期安定化基金:原発事故の影響に対する町の行財政運営の長期的な安定化を図ることを使途目的とした基金である。東日本大震災復興交付金基金:東日本大震災復興交付金を財源とする復旧・復興事業を使途目的とした基金である。(増減理由)復旧・復興事業の増加に伴う浪江町帰還環境整備交付金基金の積立て(7,506百万円)や原発事故の影響に対する町の行財政運営の長期的な安定化を図るために設置された行財政長期安定化基金の積立て(1,247百万円)などにより増加した。(今後の方針)復旧・復興事業の進捗状況に伴い、基金残高は徐々に減少する見込みである。
将来負担比率は検出されなかった。この要因としては、新規起債の抑制による地方債現在高の減及び復旧・復興事業に係る交付金の基金化による財源の増があげられる。しかし、基金については特定目的基金のため、復旧・復興事業の進捗に伴って減少するものであるから、将来負担比率の非検出は一時的なものとして考え、今後注視していきたい。実質公債費比率は新規起債の抑制や、震災後の償還の進捗等によって改善傾向にある。
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