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東日本大震災及び原子力災害の影響によって町民税を条例による減免及び地方税法による課税免除を実施したことにより、形状一般財源が激減し、その補填財源となった震災復興特別交付税が臨時の一時財源のため、平成23年度に大幅な経常収支比率の悪化があった。人件費等の減少、新規起債の抑制による償還金の減少があったが、物件費の上昇により0.2%増加した。依然として経常一般財源の確保が困難な状況が続いており、復興の進捗と平行して経常一般財源の確保が必要である。
人口一人当たり人件費・物件費等決算額については、昨年比増となった。東日本大震災の影響で浪江町内に居住することができず、新規の転入もできなくなっているため、当面は人口が上昇することはないと思われる。人件費は職員数の減少により職員給等が減少しているが、物件費は町内の復旧・復興業務が年々増加していることが影響している。今後も復旧・復興業務需要は継続し、当面増加傾向は継続すると思われる。
定員適正化計画に基づく職員数の見直し、新規採用抑制策等により類似団体とほぼ同程度の数値となっている。しかし東日本大震災に伴う災害対応業務、復旧・復興業務に対応するためマンパワーの確保が必須であり、業務の効率化や他自治体からの派遣受入れ等定員適正化計画をふまえつつ、職員数の適正化に努める。
実質公債費比率については、新規起債の抑制や、震災後の償還の進捗などがあり改善傾向にある。ただし、復旧・復興財源の下支えがあっての一時的な傾向であるため、引き続き公債費の抑制に努めていく。
将来負担比率は検出されなかった。この要因としては、浪江町復旧・復興基金の増額や、平成27年度に帰還環境整備交付金基金を新規に創設するなど、長期にわたる復興需要に対応するための大規模基金によって、充当可能財源が将来負担額を上回ったためである。基金については、復興事業の進捗状況によっては著しく減少するものであるから、将来負担比率については、一時的なものとして考え今後注意していきたい。
平成23年度において東日本大震災及び原子力災害の影響により、災害対応で業務量が著しく増加した結果、時間外手当が2倍以上の増加となったが、同時に経常一般財源の大部分を占める地方税の減免・課税免除の措置をとっており、かわって増加した財源の震災復興特別交付税が臨時一般財源で分母の減少値が大きいため、平成22年度と比較して12.9ポイントの大幅な増加となった。人件費の抑制については改善傾向にあり、全国平均値に近づいているものの、経常一般財源の確保に努め、引き続き改善を要する。
物件費は、全国に避難した住民の対応業務にかかるものに加え、町内で本格的に始まった復旧・復興業務のための委託料等が大幅に増加し11.9ポイント増加した。主に復興公営住宅造成設計委託や、町内の防犯・防災体制強化業務委託などが挙げられる。町内の復旧・復興業務の需要については、今後も増加傾向が継続するとみられる。
東日本大震災において亡くなられた方や重度の障害を受けた方、津波被災世帯等に対して支給された災害弔慰金・災害見舞金・災害障害見舞金などの震災関連の費用が大幅に増加しているものの、その大部分が特定財源および臨時一般財源でまかなわれているため、扶助費の経常収支比率は改善されている。
その他に係わる計上収支比率が類似団体の数値を大きく下回ることになった。平成27年度は特別会計への繰出金が主な要因である。町内の復旧・復興業務として、下水道災害復旧事業や、農業集落排水災害復旧事業として、公営企業会計への繰出金が必要となっているためである。町税の減免等により、分母である経常一般財源が減少しているが、分子については、復旧・復興業務が年々増加傾向にあるため、その他に係る経常収支比率は悪い水準にある。
平成23年度時点で、平成25年度終了となる国営請戸川地区土地改良事業負担金の減少、一部事務組合分として東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で双葉地方広域圏組合の塵芥・し尿・斎場等多くの事業が縮小または実施できなくなったことによる負担金の減少はあったものの、同時に経常一般財源の大部分を占める地方税の減免・課税免除の措置をとっており、分母の減少値が大きいため、経常収支比率は高水準のまま横ばいとなっている。分母の増加が見込まれない中で、今後広域圏組合等が事業再開によって負担金が発生した場合に、更に数値の悪化が考えられるため、経常一般財源の確保に努めなければならない。
震災の影響により、経常一般財源の大きな割合を占める地方税が、震災の影響もあり減免または課税免除の措置をとったため、これにかわる財源としての震災復興特別交付税が臨時一般財財源の扱いとなり、分母の現象が大きくなり、平成23年度において経常収支比率の大幅な増加がみられる。平成24年度以降は、新規起債の抑制や繰上償還の実施等により、徐々に改善が見られる。
震災を契機に経常収支比率の大きな変動がみられるが、分子の要因としては「物件費」「その他」の欄で記載したとおり物件費・繰出金の増加、分母については経常一般財源の大半を占める町税が東日本大震災の影響を受け、減免・課税免除を実施し、これに代わる財源となった震災復興特別交付税が臨時・一般財源となったため減少となったことが原因である。
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