収益等の状況について
令和2年4月から利用料金制による指定管理者制度を導入している。指定管理者は、利用料金と町が支出する指定管理料により施設運営を行っている。従前より、町直営施設として特別会計による会計手法を取っており、減価償却という概念を持たずに修繕料を含めた繰入を一般会計から行っている。利用料金制による指定管理者制度の導入により営業収益(利用料収入)が皆減となったため、営業外収益の他会計補助金(一般会計繰入金)比率は92.9%と高く、前年度比1.1%の微増である。また、売上高人件費比率が類似施設と比較しわずかながら高い傾向にあり、売上高、客室稼働率とのバランスを取りながらの運営が求められる。
資産等の状況について
町直営施設として管理運営を行っていたため減価償却の概念がなく、修繕や設備更新は一般会計からの繰入金を充当している。施設、設備とも老朽化が進んでおり、今後も単年度経費が著しく過多にならないよう、更新計画を持ちながら事業を平準化していく必要がある。
利用の状況について
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年度比で、宿泊者数は110.2%、日帰り入浴者数は14.9%と伸び率が大きくなった。町独自の宿泊助成事業を展開したことも一因となり、周辺地域の宿泊需要が低下している状況下にありながらも、当該施設の宿泊需要は好転した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症発生前の利用者水準までは未だ達していない。
全体総括
上期は特に新型コロナウイルス感染症の影響が著しく、町の観光拠点であることや、町民の福祉向上の観点から町直営施設として運営してきた経過から、施設の安定運営のために一般会計からの繰入による減収補てんを行った。より弾力的なサービスの提供と、民間事業者のノウハウを活用した効果的かつ効率的な管理運営を図るため指定管理者制度を導入し管理運営を行ってきたが、周辺地域を上回る宿泊需要があったことから、指定管理者制度を採用したメリットが一定程度現れつつある。今後も引き続き、一般会計からの繰入に依存しすぎない運営を行うことが課題である。