簡易水道事業(法適用) 公共下水道 国民健康保険川崎病院 簡易水道事業(法適用)
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湖沼法の指定を受けた釜房ダムを中心に抱えた行政区域であることや森林面積割合が8割弱の山間地域であること等地理的要素も相まって、優良企業の進出が低迷していること、また、従来から基幹産業とされた第一次産業の衰退も影響して、人口1人当たりの課税所得額が県内市町村平均額から約200千円も低い状況にあるなど、財政基盤が弱く、類似団体や全国市町村平均を大幅に下回っている。長期総合計画や集中改革プランに基づく、自然環境に配慮した優良民間企業の誘致や地場産業活性化の伸展を図り、税収を基幹とした自主財源の確保を図っていく。
前年度より1.8ポイントの改善ではあるものの、類似団体平均値と比較して5.7ポイントも高い比率(=財政の硬直化)となっている。要因は、経常収入に組み込まれる「臨時財政対策債」の発行額抑制(発行可能額対比-276,234千円)や、地方税収入の減(前年度対比-2.5ポイント)が挙げられる。経常経費においては、公債費の減少に起因して前年度比で-1,835千円と僅かながら減少したものの、職員不補充等に起因する業務委託(物件費)の増(+8,202千円)や、水道事業の高料金団体該当等に伴う補助費の増(+13,262千円)等が原因で当該比率が高水準となっている。今後の方針としては、企業誘致や町民所得水準向上対策により経常一般財源である町税の確保を一層強化する。経常経費については、行政改革や集中改革プランに基づく歳出削減の断行と、公営企業会計等の経営改革を実施し、繰出金等の圧縮を図る。
類似団体平均に比べ高くなっているのは、物件費については各集落地区散在に伴うコミュニティ施設や学校に係る維持管理経費や豪雪地帯による除雪委託経費が高水準であること、また、子育て支援対策として「待機児童ゼロ」を実現するために、認定こども園を設立し、正職員の不足を補うため多数の臨時職員を雇用したことも要因として挙げられる。人件費については、給与水準(ラスパイレス指数)を含め全ての算定項目において類似団体平均を下回っている。しかし、全国及び宮城県市町村平均に比べると高くなるのは、中山間地域の広大な行政面積である一方で、人口10,046人の小規模自治体における相対関係を象徴した結果である。人件費、物件費とも地理的要因によるところが大であるが、安易にこれらの要因に転嫁することなく、一層の行政コストの削減を図っていく。
各階層における職員数が均衡でないために、経験年数階層の変動が大きく影響している。また、平成22年度では、給料表の改定を実施しなかった(議会で否決されたことによる)こと等の影響から前年より高い数値となっている。今後は、人事院勧告に基づく給料改定等を遅滞なく実施するとともに、経験年数階層の平準化を図る。
国土調査事業により職員を4名配置しているほか、子育て支援対策強化を目的に保育士及び教育関係の職員を拡充していることから、類似団体平均を上回っているが、民間への業務委託の推進や事務の効率化を図り、適正な定員管理を図っていく。
将来負担比率でも説明したとおり、従来より起債(借金)に依存しない財政経営を行ってきたことに加え、地方財政措置を重視した地方債の活用により類似団体平均よりやや良好ではあるが、さらに普通会計においては「地方債発行額をコントロール」することで将来にわたる公債費の削減に努める。また、地方公営企業会計においても、大原則である独立採算を意識した経営を徹底することは基より、中長期的な経営健全化計画と事業優先度を見極めた評価重視の事業を展開する。なお、大規模起債事業等は当面の間凍結を原則とし、引き続き当該比率の抑制を図る。
類似団体平均を45.2ポイントも大幅に下回っている主な要因は、従来より起債(借金)に依存しない財政経営を行ってきたことにより、地方債残高が他の類似団体と比較して少ないことに加え、基準財政需要額(借金の返済金のうち普通交付税として加算措置される額)に算入される割合が高いこと、及び地方公営企業や構成する一部事務組合に対する将来的負担が少ないことが挙げられる。
類似団体平均と比較して若干ではあるが低い要因は、集中改革プランに基づく職員定員管理の徹底や、公共施設の運営に係る指定管理者制度の活用、給食業務等の外部委託への移行が挙げられる。今後は外部委託の活用のみならず、より一層の組織の横断連携強化を図り、さらなる職員数の削減を図りながら、人件費の抑制に努める。
平成16年度より物品及び公用車の集中管理、宿泊旅費や各事業記念品支給等取扱いの見直し等により物件費の節減策を実行しているものの、類似団体及び全国平均と比較すると依然として高い水準である。これは、各地区に分散した学校や公共施設に係る維持関連経費、豪雪地帯による除雪委託経費が高水準であること、また、子育て支援対策として「待機児童ゼロ」を実現するために、認定こども園を設立し、正職員の不足を補うため多数の臨時職員を雇用したことも要因として挙げられる。今後の対応方針としては、公共施設の地域住民への管理移譲をはじめ、消耗備品類の相互共有など細部も含め、類似団体の物件費水準を目標に行財政改革を一層推進する。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回る数値であるのは、急激な少子化により子ども手当支給額が他の団体と比較して低いことや、障害福祉分野では都市部においては交通インフラ網の充実や障害福祉サービス提供業者の充足等から、障害福祉サービスの受給等が活発であるが、当町のような過疎地においては都市部に居住する障害者と同等のサービス受給が困難であること等が要因として考えられ、数字だけを取り上げて良好と判断することはできない。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を大幅に上回っているのは、慢性的な繰出金の高水準化が挙げられる。下水道事業においては、集落が点在する不採算地区での経営に伴い大規模な設備投資が発生し、維持管理費や高資本費に対する繰出しが著しく多額なものとなっている。また、介護保険事業においても、県内で一番高い保険料となっているものの、施設及びサービスの充実化が起因して介護給付費の伸びが顕著であり、介護保険事業会計への繰出金も増加の一途である。下水道事業においては、段階的な使用料改定や大規模な投資的経費凍結の実施、介護保険事業については、介護予防事業の徹底とサービス利用者の意識啓発を促し介護給付費の抑制を図っていく。
補助費等に係る比率が類似団体平均を上回っているのは、不採算地区における経営に起因して上水道事業が高料金対象団体に該当したことや、病院事業における不採算地区及び救急医療に係る公費負担措置が多額なものとなっている他、ごみ処理場や消防施設の建設に伴う一部事務組合への負担金も多額なものとなっていることが挙げられる。今後は公営企業に係る不採算地区への投資抑制と、一部事務組合に対して計画的かつ効率的な行政運営を行うよう働きかけていく。
類似団体及び全国平均値より良好ではあるが、これは、平成18より財政運営指針に基づき、臨時財政対策債も含めた地方債の単年度発行枠を2億2千万円以内と設定した効果もあり、平成20年度に公債費のピークを迎え、以後は減少の一途である。また、地方債に係る元利償還金及び準元利償還金に要する経費として基準財政需要額に算入された額については、類似団体より6.0ポイント高く、これまで発行した地方債において交付税措置のない起債をせず、自治体経営を考えた地方債の発行であったことが要因として挙げられる。今後も臨時財政対策債の発行も含め、財政上有利である地方債(交付税措置の充実した地方債)以外の地方債発行を抑制した財政運営を図っていきたい。
公債費以外の経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、経常的な物件費及び繰出金が他の団体より高い水準で推移していることが挙げられる。要因については他の分析欄でも記載したとおりであるため当該欄での分析は割愛するが、経常経費高水準化の徹底的な分析と慢性的な要因については抜本的な改革の断行を図っていく。
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