経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、前年と比べ低下し赤字となっており、類似団体と比較しても低い数値を示しています。また、累積欠損金比率も類似団体と比べると、非常に高く、増加傾向にあります。これは平成28年度からの受水費の値上がりと、借入や補助を受けずに工事を施工したこと、また漏水等による有収率の低下が主な原因と考えられます。料金回収率は、類似団体と比べると高い数値を示していますが、料金収入だけでは賄えていない状況であります。有収率は、近年下降傾向にあるため、漏水調査をするなど、有収率の向上及び料金回収率の上昇のため努力が必要と考えます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率と管路経年化率は、増加傾向にあり、施設・設備の老朽化が進んでいることを示しています。法定耐用年数を経過した水道管は15.9%を占めており、このまま放置すると10年後には全体の55%になる見通しです。また、他の電気計装器類も経年劣化が進行しています。
全体総括
人口の減少と高齢化により今後料金収入の増加は見込めない状況にありますが、これに対し、老朽化した水道管や施設の更新等には莫大な経費を要します。住民のライフラインとして安定した水の供給を図るため、中長期的な視野に立った計画的・効率的な水道施設の改修や更新、維持管理、資金確保、適正な水道料金のあり方について検討していきます。平成29年度は、アセットマネジメントを策定し、将来の更新費用の把握に努めます。