高知県高知市：国民宿舎桂浜荘の経営状況（2018年度）

収益的収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	70.23461543253715	70.55558874019286	72.13097621614486	113.22956005152156	111.8117415088249	109.36	115.7

他会計補助金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	31.277239935708145	30.9	30.2	107.6	106.6	114.6	114.8

定員稼働率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）		41.70446889737256	40.13249494722659	40.02470244778801	41.29575567033461	38.7	38.0

売上高人件費比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	35.0483127007102	35.75391420841884	35.204946834514786	34.447882976165545	33.41944510667568	35.9	30.5

売上高ＧＯＰ比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	12.423672334266277	12.735882315830882	10.507822048398925	11.55385438723038	10.439717199035444	8.38	13.4

収益等の状況について

本市公営宿泊施設（以下「桂浜荘」という。）は，平成27年度より収益的収支比率が100％を超えているが，他会計補助金比率が急上昇している。これは，平成26年度までに改築に係る起債償還を終えたものの，当該改築等により陥った資金不足を解消するため，一般会計からの繰入を実施しているためである。なお，令和元年度で資金不足比率は経営健全化基準の20％を下回る見込みであり，令和２年度以降も一般会計から元金相当分に繰入を継続することで，実質収支が黒字となる見込みである。また，収支改善のために，以下三点に取り組む必要がある。第一に，収入増加を図るため，定員稼働率（全国平均及び類似施設の平均を上回るものの，40％程度でほぼ横ばい）を上昇させる利用者増加に向けた取組が必要である。第二に，顧客満足度を損なわない程度の適正な客単価設定の宿泊プランの開発やプラン見直しにより，稼働率と客単価のバランスをとることが必要である。第三に，支出減少を図るには，類似団体と比較して売上高人件費比率が高いため，人件費を抑制し，効率的なサービス提供を行う必要がある。

施設の資産価値

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（千円）						826240.0	694330.0

設備投資見込額

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（千円）						14000.0	35200.0

企業債残高対料金収入比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018
当該団体値（％）	93.81803697868692	46.436112770766	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0

資産等の状況について

建物部分については，平成７年度に実施した改築に係る起債償還は平成26年度に完了しているものの，改築後20年以上が経過している。営業収益増加のため，顧客ニーズの高い客室の洋室化やレストラン部分の改築等についても検討する必要があるが，これらの改修については多額の費用が必要であることから，収益面での効果等を検証のうえ，慎重に検討する必要がある。建物内部の設備機器については劣化が進んでおり，緊急度及び重要度の高い箇所を中心に，収益等を勘案しながら順次改修を検討する必要がある。

利用の状況について

平成30年度の市全体の宿泊利用は順調であり，宿泊需要も同様である。しかし，桂浜荘については，「西日本豪雨災害」の影響により，桂浜荘の利用者と密接に関係がある桂浜の遊歩道等が被災ししたことで，観光客入込数が著しく減少したこと等が影響し，平成30年度は当施設の定員稼働率・利用者数・売上等が大きく減少することとなった。

全体総括

桂浜荘は本市を代表する景勝地である桂浜公園内にあり，桂浜，坂本龍馬像など，本市を代表する観光資源があることから，今後も一定の宿泊需要が見込まれる。一方，平成７年に実施した施設改築の起債償還等が要因で資金不足となり，一般会計からの繰入で資金不足比率を経営健全化基準未満にする途上である。資金不足に陥った要因を強く受け止め，今後は独立採算可能な経営を行うことが必須である。今後の設備投資に必要な経費を独立採算で確保するため，支出面での見直しや，顧客満足度を損なわない程度の適正な客単価設定の宿泊プランの開発や見直し等による収入増加を図り，収支改善に取り組む必要がある。なお，現在の経営健全化計画は，平成21～令和元年度を対象期間としており，当該計画の達成状況を鑑みながら，経営改善に向けた施策，事業の継続可否について慎重に検討を行っていく。