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千葉県鴨川市:国保病院の経営状況(2021年度)

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経営比較分析表(2021年度)

地域において担っている役割

当院は、市の中心から西方に約10km、国道410号線と主要地方道鴨川保田線が交差する交通の要所に位置しているが、中山間地域のため集落が山間地に点在し、高齢化が進んでいることから、高齢者等の交通弱者に対する交通手段の確保が必要な地域となっている。また、当院から10km圏内に医療機関はなく、隣接する君津市、南房総市、鋸南町の市域を含む中山間地域唯一の二次救急指定医療機関(千葉県救急告示病院)となっていること、鴨川市地域防災計画において災害時の応急救援活動における後方医療施設としての役割等を担っていることから、救急医療を含め引き続き災害時医療における役割を担っていく必要がある。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者1人1日当たり収益

外来患者1人1日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、入院収益及び外来収益等が増加したものの、前年度に完成した新病院に係る固定資産減価償却費等の増加により前年度比9.6ポイント減となり、健全経営の水準とされる100%を下回った。②医業収支比率は、入院収益、外来収益及び新型コロナウイルスワクチン接種により公衆衛生活動収益は増加したものの、新病院に係る固定資産減価償却費等の増加により前年度比11.7ポイント減少した。③累積欠損金比率は、新病院に係る減価償却費及び旧病院の取壊し等による除却損を特別損失として計上したことにより当期純損失を計上したため、6.2ポイント増加した。④病床利用率は、入院患者数が前年度と比較して446人減少したことから、1.7ポイント減少し66.8%となった。⑤入院患者1人1日当たり収益は、入院単価の高い地域包括ケア病床へ全床切り替わったこと、また、新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れたことにより加算がついた点が主要因となり入院収益が増加したため、前年度と比較して2,079円増加した。⑥外来患者1人1日当たり収益は、眼科の手術件数及び在宅診療件数が増えたことにより、前年度と比較して502円増加した。⑦職員給与費対医業収益比率は、前年度と比較して職員数が増加したことにより給与費は増加したものの、医業収益の増加が上回ったため前年度比2.3ポイント減となった。⑧材料費対医業収益比率は、外科がないことなどから癌治療(抗がん剤など)がなく、透析等もないことから比較的低い水準となっている。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

1床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率は、令和3年度に旧病院を取り壊し、駐車場を整備したため、旧病院の除却を行ったことから前年度と比較して10.4ポイント減少した。②器械備品減価償却率は、眼科診療日数拡大のため眼科機器を購入したこと等から前年度と比較して0.4ポイント減少した。③1床当たり有形固定資産は、令和3年度から新病院及び医療用機械等の減価償却費の計上により前年度と比較して4,904,557円減少した。

全体総括

収入においては、眼科診療日数の拡大に伴う外来収益の増加(対前年度比56,908千円)、入院患者数が減少(対前年度比△446人)したものの、新型コロナウイルス感染症から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れたことにより入院収益が増加(対前年度比23,472千円)した。また、新型コロナウイルスワクチン接種により公衆衛生活動収益(対前年度比63,623千円)及びそれに関連する交付金(対前年度比40,219千円)が増加した。費用においては、病床稼働率の向上を図るために看護師を増加したこと等から職員給与費が増加(対前年度比105,906千円)したこと、令和3年度に完成した新病院等に係る減価償却費(対前年度比168,645千円)が増加したこと等から、事業収益より事業費用が上回ったため当期純損失91,349千円を計上した。なお、建設事業として、令和3年度に旧病院の取り壊し及び駐車場造成工事を実施し、特別損失に旧病院の除却損等を計上した。今後は、病床利用率の向上による入院収益及び訪問診療等を増やすなど外来収益の確保を図りながら、一般会計からの繰入金を活用し病院経営の基盤を強化していく必要がある。

出典: 経営比較分析表,

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