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埼玉県小鹿野町:国民健康保険町立小鹿野中央病院の経営状況(2023年度)

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収録データの年度

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経営比較分析表(2023年度)

地域において担っている役割

高齢化が著しい秩父地域であるが、当院は西秩父地域では唯一の病院である。入院機能では急性期病床45床、回復期病床30床(地域包括ケア病床)で運営している。入院患者の退院後も見据えて多職種で連携し、予防からリハビリまで切れ目のない医療を提供している。外来診療では近隣のクリニックでは難しい検査や手術も実施している。また、訪問診療を積極的に行い、在宅でも適切な医療が受けられるよう整備している。加えて、令和5年度から訪問看護事業を当町保健課より当院に移管し、さらなる在宅医療提供体制の強化に向けて注力している。以上のことから、西秩父地域の医療拠点としての役割を担っている。高齢化が著しく、山間部であり市街地への公共交通機関が乏しい当地域にとっては要となる病院である。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者1人1日当たり収益

外来患者1人1日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率→外来収益は、新型コロナウイルス5類移行後、発熱外来対応が前年度を下回った影響もあり減となった。入院収益は前年度末に発生したクラスターの影響が長引き前年度を下回った。一般会計からの繰入金が前年度を上回ったが経常収支比率は100%を切る結果となった。②医業収支比率→外来・入院収益の減少が影響し医業収益が前年度より落込み、医業費用は人件費や施設修繕により増加しており医業収支比率は大きく減となった。③修正医業収支比率→給与費、施設修繕等の費用が経営を逼迫させている。収益でまかなうことが困難であり、一般会計からの繰入に依存している状況である。④病床利用率→許可病床は95床であるが、スタッフ数を考慮し一般病床、回復期病床ともに30床での運用を行っている。クラスターの影響を受けた年度当初の収益が低かったことが響いた。年度末にかけて増加傾向に転じたが、昨年度を下回った。⑤入院患者一人一日あたり収益→単価の高い眼科手術を入院で対応していたが、日帰りを希望する患者が増加し、入院患者一人一日あたりの収益は減となった。⑥外来患者一人一日あたり収益→発熱外来の対応が前年度を下回ったことと、地域人口の減少も加速し受診者数が伸び悩み、収益が落込んだ。⑦職員給与費対前年度比率→前年度比で入院・外来収益等医業収益の減収、職員数の増員により、職員給与費対医業収益比率は高くなっている。⑧材料費対医業収支比率→入院患者減に伴う医薬品費、給食材料費の減、発熱外来減に伴うコロナウイルス検査試薬の購入量減により前年度を僅かに下回った。⑨累積欠損金比率→14年度病院に増改築工事を実施し、多額の減価償却費を計上している。人口減少も加速しており、現状のままでの収益増加は極めて厳しい状況である。累積欠損金の解消に向けるため、訪問看護事業等の新たな方法を取入れ経営改善に取組んでいく。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

1床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率、②機械備品減価償却率は類似団体平均値を上回っており、固定資産減価償却率が高いことから老朽化が進んでいると思われる。③1床あたり有形固定資産については、平均値を下回っているが、老朽化により設備の更新が増えることが予想される。将来の減価償却費の負担を考慮し、過大な投資とならないよう慎重に検討したい。病院本館は昭和51年建設し40年経過しており、建物の安心・安全を確保するため、平成29年度に耐震工事を実施し、雨漏り対応工事を令和2年度に実施した。加えて令和6年度中に屋上防水工事も実施予定である。機械備品についても類型団体と比較して減価償却率が高くなっており、医療機器に関しては、1年でも長く有効利用するために、保守点検及び精度管理を定期的に実施し、耐用年数より長く利用している機器が多い。保守点検業者からの情報により精度が確保されないと判断された場合は、機器の更新を行なっている。今後は、老朽化が進んでいる空調設備、ボイラー、照明のLED化等の更新を計画をしている。

全体総括

当地域の人口減少、高齢化は年々厳しさを増しており、病院運営が逼迫する要因となっている。とりわけ施設全体の老朽化が著しいが、多額の費用を投じなければならず、大幅な改修は困難である。令和5年度については、令和4年度末に発生した新型コロナウイルスのクラスターによる影響が長引き、前期の入院患者数が大きく落ち込んだ結果、最終的な入院・外来収益についても前年度を下回る決算となった。令和5年度から取入れた訪問看護事業については、好調なスタートを切っており、収支改善を図るうえで重要な事業となると考えられる。また、令和5年度に策定した経営強化プランでは患者動向を注視し、病棟の集約化を検討する計画で、併せて訪問看護・訪問診療の在宅医療の強化を図り、当院が地域医療の拠点として存続するために最善な方法を検討していきたい。

出典: 経営比較分析表,

同類型区分

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