北海道標茶町：町立病院の経営状況（2021年度）

地域において担っている役割

町内唯一の病院として①へき地、過疎地における一般診療の提供②救急・小児・産婦人科等の不採算医療の提供③町内職場の産業医④介護保険主治医意見書及び認定審査会への委員派遣⑤リハビリ事業等の役割を果たしている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	100.8	100.0	102.9	100.0	100.3	100.1	100.9	100.3	100.5	100.3
類似団体内平均値（％）	98.1	97.7	98.5	98.0	98.4	98.2	97.5	97.7	100.7	103.6

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	74.4	64.9	66.3	70.4	69.8	70.6	68.5	67.0	62.9	63.7
類似団体内平均値（％）	83.2	82.5	79.7	79.6	77.9	78.1	77.0	77.1	73.8	75.5

修正医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）							53.1	50.1	47.4	48.3
類似団体内平均値（％）							73.2	73.2	69.9	71.6

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	71.9	70.5	64.1	65.7	71.4	78.1	82.8	84.8	90.5	86.3

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	71.6	59.2	55.9	52.0	48.2	52.5	48.1	47.7	45.1	39.4
類似団体内平均値（％）	69.2	68.6	67.4	66.6	66.8	67.9	67.2	66.1	62.3	62.1

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（円）	27766.0	24284.0	26386.0	26589.0	27594.0	27119.0	27613.0	26556.0	28254.0	28081.0
類似団体内平均値（円）	23061.0	23475.0	23857.0	24371.0	24882.0	25249.0	25597.0	26415.0	27227.0	28176.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（円）	5578.0	5850.0	5857.0	6247.0	6322.0	6364.0	6399.0	6992.0	7222.0	7274.0
類似団体内平均値（円）	8338.0	8603.0	8471.0	8736.0	8797.0	8852.0	9034.0	9135.0	9509.0	9548.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	81.8	88.0	95.2	88.8	89.7	95.4	90.3	92.9	80.7	82.3
類似団体内平均値（％）	64.7	65.3	67.9	68.0	70.0	70.8	71.6	72.5	78.5	76.3

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	13.1	15.1	14.2	13.7	13.4	13.8	13.8	12.9	13.0	11.8
類似団体内平均値（％）	19.6	19.1	18.0	18.0	17.6	17.2	16.6	16.1	15.8	14.8

経営の健全性・効率性について

へき地医療を担う不採算病院であることから類似病院平均値と比較し医業収支比率は低く、職員給与費対医業収益比率は高くなっている。また医師、看護師の不足から病床利用率も低いものとなっている。当院利用者は高齢者が多く、慢性的な疾患が多いことから外来患者１日当たり収益が類似病院平均値と比較し低い。また、院外処方のため材料費対医業収益比率が低い。へき地医療や不採算医療の提供という役割を担っている上、コロナ対応のための物品購入など依然として支出は多く、診療圏人口の減少により経営は一層厳しくなることが予想されるが、経営の効率化を引き続き図っていく。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	39.4	41.6	43.7	45.2	46.8	48.1	49.1	50.2	50.7	51.2
類似団体内平均値（％）	43.0	43.9	52.4	52.6	54.2	53.8	56.1	56.4	56.9	58.3

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（％）	78.9	83.3	87.5	88.8	89.1	87.2	86.3	86.0	84.3	77.7
類似団体内平均値（％）	60.6	59.1	68.9	68.0	70.0	71.0	73.2	73.4	72.5	72.3

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021
当該団体値（円）	52881133.0	52925333.0	53134950.0	53215000.0	53158567.0	53169783.0	52886817.0	53133683.0	53655217.0	53556717.0
類似団体内平均値（円）	33688486.0	34462126.0	34878088.0	36094355.0	36941419.0	38480542.0	38744035.0	40117620.0	42330999.0	43068047.0

老朽化の状況について

当院の建物は平成８年築のため、有形固定資産減価償却率が類似病院平均値と比較し低い。設備更新をしているため、機械備品減価償却率は年々下がってきてはいるが、建築時に導入した器械備品が多いため類似病院平均値より高い。また建築当時より病床数が減少していることから、１床当たり有形固定資産は類似病院平均値と比較し高くなっている。機器等の価格は年々上昇しており、引き続き経営面等を考慮しつつ、計画的に有形固定資産の更新をしていく必要がある。

全体総括

へき地医療を担う不採算地区病院のため収益の確保が難しい上に、公的医療機関として地域医療の確保のための重要な役割を担っていることから救急医療等の不採算部門についても業務を行っているため、一般会計からの繰り入れが不可欠となっている。新型コロナウイルス対応及び電気・燃料の物価上昇および人件費の上昇などにより支出に関しては増大が見込まれ大変厳しい状況にあるが、引き続き業務の効率化、人員の適正配置、固定資産の計画的な更新などを進めていく。