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指数算定の分子となる基準財政収入額について、土地の評価額の下落に伴い固定資産税が減少したが、扶養控除の廃止や給与所得者の増に伴う個人所得割の増、工業団地の進出企業の償却資産が増となり前年度から増加した。一方、基準財政需要額は、障害福祉サービスの本格運用が算入された社会福祉費の増、予防接種事業の一般財源化に伴う保健衛生費の増、地域経済対策で新設された地域の元気づくり推進費が本町に有利に働き、基準財政収入額を上回る伸びがあったことから、0.01増となった。地場産業の窯業は、近年の町の積極的な施策の展開により回復基調であるが税収増などの影響は出ておらず、指数0.38は類似団体平均0.48を大きく下回っており、町の財政基盤は依然として自主財源に乏しい脆弱なものとなっている。
前年比1.0%の減となり、また、類似団体平均を下回る結果となった。これは、経常一般財源については、前年度に比べ32百万円に増加となった一方、経常的経費について、後期高齢・介護保険事業の繰出金等の増があったものの業務見直しによる物件費の減、給与費削減や福祉組合の施設維持費の見直しに伴う負担金の減があったため、経常的経費が7百万円減少したためである。また、公共下水道への公債費繰出額が高位で推移するとともに、介護保険や後期高齢者医療費等、社会保障費の影響の割合が年々増加することから、目標とする80%を下回ることは、依然として厳しく、弾力性に乏しいものとなっている。
平成23、24年度に引き続き、類似団体中、最も低い結果となった。人件費においては、類似団体平均の76,983円に対し、46,468円と約40%低い、これは、職員数が類似団体と比較して極端に少ないためである。一方、物件費等の37,034円も類似団体平均の62,404円の約41%と低い、これは、長期計画策定時の審査と予算要求時における最小額の計上の徹底と、臨時的なものを除き、原則、前年度予算を上限とした査定枠の設定、さらには、執行段階での経費節減の効果によるものである。
類似団体平均と同水準の96.5ポイントとなっており、比較となる国家公務員の給与削減が終了したことから、前年度に比べ7.5%の減少となっている。本町の場合は、人件費総額や人口1人当たりの人件費は、類似団体よりもかなり低くなっているものの、比較となる国家公務員や類似団体の職員の年齢構成や職員数、更には異動による対象者の変動もあるため、一概に論じにくい面があるが、職員の年齢構成が部分的に偏っているため、ラスパイレス指数自体は、高い傾向にあると分析している。今後についても、各年の人件費の平準化を図るうえでも、年齢構成に配慮した採用と配置を実施することが必要である。
平成17年度に策定した行政改革実施計画(集中改革プラン)により、公営企業会計を含めた総職員数を115人から平成22年度に97人(-15.6%)とすることで、全国市町村の取り組み目標値である-8.5%より高い目標値を持って職員数の削減を実施したことから、類似団体平均では3人以上、全国平均でも約2人低い値となっている。今後においては、行政事務が複雑多様化しており、行政需要が拡大傾向であるため、これ以上の職員数の削減は困難であるが、適正な定員管理を継続し、職員個々の能力向上を図るとともに、可能な限り民間委託と行政事務の効率化を実施し、住民サービスの向上を行う。
前年度に比べ、1.0ポイント改善したものの、類似団体平均に比べ、2.7ポイント上回る結果となった。これは、過去の大型事業の地方債償還額が大きいことが要因であるが、ここ数年の経過をみると平成22年度に実施した繰上償還(計306百万円)や基金繰入による一部事務組合(東彼地区保健福祉組合)負担金の準元利償還金の減少の効果により改善している。しかしながら、公共下水道への公債費繰出、工業団地等の大型事業への起債発行を実施しており、今後は、大きな改善は見込めない状態である。このため、自主財源の確保に努めつつ、建設事業発行については、交付税措置のあるものを主とし、起債借入額は、当年度の元金償還額以下を基本とした財政運営を徹底する。
類似団体平均の54.6%を下回る34.0%であり、前年度に比べても15.8%改善している。これは、地方債発行の抑制に伴い地方債残高が順調に減少していること、職員数減に伴い退職手当組合の負担見込額が減少していること、基金積立に伴い充当可能財源が増加したためである。一方、各種建設事業の起債残高は、福祉組合の清掃工場の建替などの大型事業の実施で、減少幅が縮小し、現在の残高レベルで推移する見込であり、また、公共下水道事業の進展に伴う公営企業債の償還額への繰出額が今後、増加見込である。今後においては、新規事業の実施については、後年度の財政措置を考慮して実施し、併せて、借換や繰上償還等により、将来の負担を少しでも軽減できるよう財政の健全化を図る。
経常収支比率に占める人件費の割合は、18.6%と類似団体に比べ5.2%低く、前年度に比べ1.4%低くなっている。これは、給与費特例に伴う職員給削減や職員の退職・採用に伴う給与費の減によるものである。一方、人口1人当たりの人件費決算額は、46,468円と類似団体平均(76,983円)と比べ約40%も下回っている。また、事業費支弁費人件費等、人件費に準ずる費用を含めた人口1人当たりの決算額は、47,701円で類似団体平均の78,584円を大きく下回っている。今後においても、職員数の適正な定員管理等に努め、人件費の抑制を図る。
物件費の経常収支比率は、前年度から比較して0.7%悪化しており、一方、類似団体平均に対しては3.9%下回っている。これは、平成18年度からの予算要求段階での経常的経費の毎年-5.0%削減を実施しているが、防災無線関連経費の経常的経費への分類や施設の電気料が増加したためである。なお、人口1人当たりの決算額は、物件費全体で37,034円となり、類似団体平均62,404円と比較すると約41%下回っている。
本町の財政構造の大きな特徴として、突出した扶助費の構成割合がある。人口1人当たりの決算額は、74,416円(前年71,753円)で、類似団体54,714円を大きく上回っている。これは、町内保育園5箇所の保育園が全て民間であり、その運営費負担が大きいことによる。さらに未就学児童のうち、保育所入所率は約50%であり、保育料階層区分では、低額負担の階層世帯が多く、第2子の保育料減免も行っていることも大きな要因である。また、障害者総合支援制度の拡充等、増加要因が多く、抑制が難しいため、収支改善につながりにくい要因となっている。
繰出金の経常収支比率は、14.8%(類似団体13.1%)で、前年度に比べ0.1%の同水準であった。しかし、今後、介護保険特別会計繰出金や後期高齢医療保険等の給付費増による負担増が見込まれ注意が必要である。一方、維持補修費については、0.7%(類似団体1.1%)で、同じく同水準であるが、今後、道路、橋梁の老朽化に伴い維持補修が増加すると見込まれ計画的な実施が必要である。
補助費等の経常収支比率は、類似団体の13.3%を上回る14.6%で、前年度費1.0%減少している。これは、補助費等のうち、一部事務組合の東彼地区保健福祉組合の負担金が、維持管理費の見直しにより減少したことが主な要因である。一方、人口1人当たりの決算額は、48,823円で類似団体平均59,943円となっており、過去の集中改革プラン等により、補助金30%の一律削減等を行った効果が表れている。今後についても、奨励目的で当初目的が薄れたもの、小額補助で効果が少ないものは、順次、廃止することで削減に努める。
公債費の経常収支比率は、過去の総合文化会館建設等の大型事業を短期間に実施し、その借入が多額なことにより、類似団体平均よりも高位で推移していたが、平成11年度に長期財政計画、平成12年度に公債費負担適正化計画を策定し、投資的経費の抑制を図り、地方債の発行を抑制したことで、ピーク時(平成10年度末)に81.7億円あった地方債残高は、平成25年度末には、64.1億円まで圧縮し、臨時財政対策債を除く建設事業債では、39.6億円まで削減している。しかし、元利償還金は、平成28年度まで現在の同水準で推移することから、今後も地方債発行の抑制に努める必要がある。
ここ数年66%前後で推移しており、類似団体と比べても約3%前後低い状態で推移している。本町においては、人件費、物件費、補助費が現状または低位で推移するが、扶助費や繰出金が増加傾向であることから、当面は、この水準で推移するものと考えられる。公債費については、減少傾向であるが、近年、工業団地造成や工業用水の整備を実施し、地方債残高の減少が鈍化していることから、将来的に公債費の増加も懸念されるので、注意が必要である。
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