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指数算定の分子となる基準財政収入額について、評価替えに伴い土地等の固定資産税が減少したが、工業団地の進出企業の償却資産が増加し前年度と同水準となった。一方、基準財政需要額は、スクールバス導入に伴う小学校費、社会福祉費、国保保険料軽減者の増に伴う保健衛生費、高齢者保健福祉費などが伸びたことから、結果、0.01減となった。地場産業の窯業は、近年の町の積極的な施策の展開により回復基調であるが税収増などの影響は出ておらず、指数0.37は類似団体平均0.48を大きく下回っており、町の財政基盤は依然として自主財源に乏しい脆弱なものとなっている。今後においては、工業団地への大型企業進出に伴う償却資産等の固定資産税の増収が見込めるものの、高齢者保健福祉費等、行政が直面する需要が増加傾向であるため、大きな改善は見込めない状況である。
前年比1.9%の増となり、また、類似団体平均を下回る結果となった。これは、経常一般財源については、前年度同水準にとどまったものの、経常的経費について、業務見直しによる物件費や公債費の減があったが、障害者自立支援サービスの本格運用や保育所運営費などの扶助費の増、福祉組合の施設維持費等にかかる負担金などの補助費の増が上回ったためである。また、公共下水道への公債費繰出額が高位で推移するとともに、介護保険や後期高齢者医療費等、社会保障費の影響の割合が年々増加することから、目標とする80%を下回ることは、依然として厳しく、弾力性に乏しいものとなっている。このため、今後についても、徹底した行政事務の効率化を図り、経常的経費削減の努力を行う。
平成23年度に引き続き、類似団体中、最も低い結果となった。人件費においては、類似団体平均の79,035円に対し、48,919円と約38%低い、これは、職員数が類似団体と比較して極端に少ないためである。一方、物件費等の30,790円も類似団体平均の63,368円の約51%と低い、これは、長期計画策定時の審査と予算要求時における最小額の計上の徹底と、臨時的なものを除き、原則、前年度予算を上限とした査定枠の設定、さらには、執行段階での経費節減の効果によるものである。
類似団体平均と同水準の104.0ポイントとなっており、比較となる国家公務員の給与削減が実施されていることから、100ポイントを超える状況であるが、前年度に比べ1.6%の減少となっている。本町の場合は、人件費総額や人口1人当たりの人件費は、類似団体よりもかなり低くなっているものの、比較となる国家公務員や類似団体の職員の年齢構成や職員数、更には異動による対象者の変動もあるため、一概に論じにくい面があるが、職員の年齢構成が部分的に偏っているため、ラスパイレス指数自体は、高い傾向にあると分析している。今後についても、各年の人件費の平準化を図るうえでも、年齢構成に配慮した採用と配置を実施することが必要である。
平成17年度に策定した行政改革実施計画(集中改革プラン)により、公営企業会計を含めた総職員数を115人から平成22年度に97人(-15.6%)とすることで、全国市町村の取り組み目標値である-8.5%より高い目標値を持って職員数の削減を実施したことから、類似団体平均では3人以上、全国平均でも約2人低い値となっている。今後においては、行政事務が複雑多様化しており、行政需要が拡大傾向であるため、これ以上の職員数の削減は困難であるが、適正な定員管理を継続し、職員個々の能力向上を図るとともに、可能な限り民間委託と行政事務の効率化を実施し、住民サービスの向上を行う。
前年度に比べ、1.1ポイント改善したものの、類似団体平均に比べ、3.2ポイント上回る結果となった。これは、過去の大型事業の地方債償還額が大きいことが要因であるが、平成24年度の単年度で見た場合、13.8ポイントとなっており、過去に実施した繰上償還(計306百万円)や基金繰入による一部事務組合(東彼地区保健福祉組合)負担金の準元利償還金の減少の効果が出ている。しかしながら、公共下水道への公債費繰出、工業団地造成、工業用水道事業等の大型事業への起債発行を実施しており、大きな改善は見込めない状態である。今後については、自主財源の確保に努めつつ、建設事業発行については、交付税措置のあるものを主とし、臨時財政対策債を含めた起債借入額は、当年度の元金償還額以下を基本とした財政運営を徹底する。
類似団体平均の61.3%を下回る49.8%であるが、前年度に比べて1.2%悪化している。これは、繰上償還等により地方債残高が減少したことに加え、職員数減に伴い退職手当組合の負担見込額が減少しているが、町営工業団地の地方債残高が算入されたことに伴い将来負担額が増加したためである。また、各種建設事業の起債残高は、今後の大型事業の実施で、減少幅が縮小し、現在の残高レベルで推移する見込であり、また、公共下水道事業の進展に伴う公営企業債の償還額への繰出額が今後、増加見込である。今後においては、新規事業の実施については、後年度の財政措置を考慮して実施し、併せて、借換や繰上償還等により、将来の負担を少しでも軽減できるよう財政の健全化を図る。
経常収支比率に占める人件費の割合は、20.0%と類似団体に比べ4.6%低く、前年度に比べ0.5%低くなっている。これは、職員給で約14百万円の増加があったものの、議員定数削減(2名)に伴う議員報酬(約17百万円)の減の要因があり前年度と同水準となったが、扶助費等の伸びにより相対的に割合が減少したことによる。一方、人口1人当たりの人件費決算額は、48,919円と類似団体平均(79,035円)と比べ約38%も下回っている。また、事業費支弁費人件費等、人件費に準ずる費用を含めた人口1人当たりの決算額は、50,385円で類似団体平均の80,578円を大きく下回っている。今後においても、職員数の適正な定員管理等に努め、人件費の抑制を図る。
物件費の経常収支比率は、前年度から比較して0.2%改善しており、類似団体平均からも4.0%下回っている。これは、平成18年度からの予算要求段階での経常的経費の毎年-5.0%削減を実施している効果が大きな要因である。一方、人口1人当たりの決算額は、物件費全体で30,790円となり、類似団体平均63,368円と比較すると約51%下回っている。
本町の財政構造の大きな特徴として、突出した扶助費の構成割合がある。人口1人当たりの決算額は、71,753円(前年70,667円)で、類似団体55,785円を大きく上回っている。これは、町内保育園5箇所の保育園が全て民間であり、その運営費負担が大きいことによる。さらに未就学児童のうち、保育所入所率は約50%であり、保育料階層区分では、低額負担の階層世帯が多く、第2子の保育料減免も行っていることも大きな要因である。経常充当一般財源は、人口1人当たり18,688円(類似団体平均16,263円)あるが、経常収支比率は、8.2%と高く、保育料階層区分の低額負担や第2子保育料減免に対する公費負担が増加したことから、前年度に比べ0.9%上昇している。また、障害者総合支援制度の拡充等、増加要因が多く、抑制が難しいため、収支改善につながりにくい要因となっている。
繰出金の経常収支比率は、14.7%(類似団体13.6%)で、前年度に比べ0.6%上昇している。これは、公共下水道事業への公債費負担が増加しているとともに、介護保険や後期高齢医療保険等の給付費増による負担増も大きな要因である。一方、維持補修費については、0.8%(類似団体1.1%)で、前年度に比べ0.2%上昇しており、今後、道路、橋梁の老朽化に伴い維持補修が増加すると見込まれ計画的な実施が必要である。
補助費等の経常収支比率は、類似団体の13.2%を上回る15.6%で、前年度費1.3%上昇している。これは、補助費等のうち、一部事務組合の東彼地区保健福祉組合の負担金について、維持管理費の増により増加したことや定住奨励金の創設を行ったことが主な要因である。一方、人口1人当たりの決算額は、45,551円で類似団体平均71,506円となっており、これに対する一般財源は、35,403円(類似団体38,343円)となっている。補助費については、集中改革プラン等により、補助金30%の一律削減や上水道企業会計への補助全廃を行っており、今後についても、奨励目的で当初目的が薄れたもの、小額補助で効果が少ないものは、順次、廃止することで削減に努める。
公債費の経常収支比率は、過去の総合文化会館建設等の大型事業を短期間に実施し、その借入が多額なことにより、類似団体平均よりも高位で推移していたが、平成11年度に長期財政計画、平成12年度に公債費負担適正化計画を策定し、投資的経費の抑制を図り、地方債の発行を抑制したことで、ピーク時(平成10年度末)に81.7億円あった地方債残高は、平成24年度末には、64.4億円まで圧縮し、臨時財政対策債を除く建設事業債では、40.9億円まで削減している。しかし、元利償還金は、平成26年度まで現在の同水準で推移することから、今後も地方債発行の抑制に努める必要がある。
ここ数年65%前後で推移しており、類似団体と比べても約3%前後低い状態で推移している。本町においては、人件費、物件費、補助費が現状または低位で推移するが、扶助費や繰出金が増加傾向であることから、当面は、この水準で推移するものと考えられる。公債費については、減少傾向であるが、近年、工業団地造成や工業用水の整備を実施しており、地方債残高の減少が鈍化していることから、将来的に公債費の増加も懸念されるので、注意が必要である。
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