経営の健全性・効率性について
①経常収支が類似団体に比べ10%~25%ほど高く、常に100%を超えていることから毎年利益を出している安定した経営となっていることが伺える。②累積欠損金が発生しておらず健全な経営状態にあると言える。③非常に高い流動比率を有しており、短期的な支払能力にはまったく問題がないと言える。また、遊休資産も抱えておらず健全な経営状態にあると言える。④企業債残高が経営に影響を与える比率は類似団体と比較しても非常に小さな値となっており、経営の悪化に繋がる要因にはなっていないが、老朽施設更新のために資本的支出が増えており、それに伴う企業債借入により残高が上昇しているため油断はできない状況である。⑤料金回収率は常に100%を上回っており、経営に必要な経費はすべて料金で賄うことが出来ているため安定した経営状態にあると言える。⑥給水原価は類似団体の平均を大きく下回っており、供給単価の方が高いため料金回収率が好調な理由と言える。⑦施設利用率は類似団体より比較的高い状態ではあるが、遊休資産が少なく、配水能力に余力があることから安定的な供給が保たれていると言える。⑧有収率は類似団体の平均よりも群を抜いて高く、漏水対策等が適切に行われているためと考えられる。
老朽化の状況について
①直島町簡易水道基幹改良事業により施設等が順次更新されているため年々償却率は下がっている。平成26年度に償却率が若干上昇しているのは事業見直しのため更新工事を行わなかったためである。②平成22年度より管路更新事業を少しずつ行っているが、類似団体平均値を大幅に上回っている状況である。③平成22年度から管路の更新が始まっているが、平成24年度までに配水池からの主要な配水管は一通り更新が完了し、浄水場内の施設更新に移行したため平成25年度以降は更新率が1%前後を推移している。現時点では、平成30年度までの浄水場の基幹改良事業を優先させており、当該事業完了後に配水管の更新工事は順次行っていく計画となっている。
全体総括
経営状況は非常に安定しており、資金等も潤沢に確保されているため、今後も効率的な経営と無駄のない経営を続けていくよう努め、住民に安心安全な水を届けられる体制を確保したい。一方、施設等の状況を見ると老朽化が目立っており計画的な更新を行う必要性がある。水道基本計画に基づいた直島町簡易水道基幹改良事業による施設の更新が始まっており、当初は平成22年から平成27年までの計画であったが、中間の見直しにより平成22年から平成25年までで一旦区切りとし、平成27年度から平成30年度まで更新事業を行う予定としている。しかし、老朽化した配水管はこれだけでは更新出来ないため平成30年度以降も計画的な配水管の更新事業が求められている。そのために平成31年度に経営戦略を策定することで、今後十数年の経営状態を予測し、適切な事業を行っていきたい。