有田川町

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり６８３，６８５円となっている。主な構成費目は民生費であり、全国・県平均と比較すると低く類似団体平均と同水準である。年々増加傾向となっている要因は、放課後児童健全育成事業や児童発達支援事業給付金等の増加である。また、コロナ対策である住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金事業の皆増も要因である。総務費は、国民一人当たり１０万円を給付する特別定額給付金事業や吉備庁舎大規模改修事業の終了に伴い減少した。商工費は、前年度より減少したものの、引き続きコロナ禍における町内事業者支援及び景気対策として応援クーポン券給付事業等を積極的に実施したため、コロナ禍前の水準より高く、類似団体の中で高額となっている。消防費は、防災行政無線デジタル化改修事業や防災倉庫新築事業の完了に伴い大幅に減少し類似団体平均を下回った。災害復旧事業費は、全国及び県平均、類似団体と比較して高い状況となっている。前年度より増加した要因は、林業施設災害の増加によるものであり、平成３０年度が突出しているのは、放送用ネットワーク施設災害復旧事業を実施したことによるものである。公債費は全国・県平均、類似団体と比較して高い状況である。年々減少傾向であったが増加に転じた要因は、上述の吉備庁舎大規模改修事業・防災行政無線デジタル化改修事業・防災倉庫新築事業の地方債の償還が始まったことによるものである。平成３０年度と令和１年度が伸びた理由は任意の繰上償還を実施したことによるものである。

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり６８３，６８５円となっている。主な構成項目である人件費は全国・県平均と比べると高く、類似団体の中で最上位である。要因は、当町は地方創生総合戦略の中で「女性が住みたいまちづくり」を重点プロジェクトの一つに掲げ、子育て施策として保育所の充実を図っており、類似団体の中で総職員に占める保育士の割合が高いことや、消防職員数について、当町は３５１．８４ｋ㎡と広大な面積を有しており、町民の生命・財産を守るため町内に２つの署を設置しているためである。補助費等は、令和２年度のコロナ禍における緊急経済対策として実施した特別定額給付金事業の終了に伴い減少した。普通建設事業費は、令和２年度の防災倉庫新築事業の終了により新規整備は減少し、更新整備では、令和２年度の吉備庁舎大規模改修事業や防災行政無線デジタル化改修事業の終了により減少したが、きびドーム大規模改修事業の実施により、例年よりは多額となっている。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な更新等を実施することで長寿命化・事業の平準化に取り組んでいく。公債費は全国及び県平均と比べると高い状況であり、要因は、合併特例債を活用し事業を実施しているためである。なお、平成３０年度と令和１年度が伸びた理由は任意の繰上償還を実施したことによるものである。積立金は、将来の施設更新等の財源を確保するため、公共施設整備基金に重点的に積み立てているため増加傾向である。繰出金は全国・県平均と比べると高く、類似団体の中で最上位である。これは、公共下水道事業の整備事業に伴い地方債を発行していることにより公債費に対する繰出金が増加していることが要因である。

施設情報の分析欄

類似団体内平均値と比較して、有形固定資産減価償却率（以下「償却率」という。）が高くなっている施設類型は、橋りょう・トンネル、公営住宅、公民館となっており、特に公営住宅にあっては昭和４１～５０年建築や昭和６１年から平成７年建築が多くあり、耐用年数が相当経過していることから償却率が高くなっている。また公民館にあっても全国平均、県内平均と比べ償却率が高いのは、昭和４０年から昭和６２年建築が多いためである。一方で、償却率が下回っている認定こども園、幼稚園、保育所にあっては、当町は保育所が該当するが、老朽化及び耐震化の状況等を考慮し、平成２８年度に既存保育所（３ケ所）を統合して新保育所の建設を実施したことによることが大きい。また学校施設にあっては、中学校改築や過疎化に伴う小中学校の廃校により普通財産となり、所管替となっていることにより償却率が低くなっていると考えられる。今後、償却率が高い施設類型については、個別計画等に基づき計画的な更新整備、または施設の統廃合等を検討し適正な維持管理を実施していく必要がある。

施設情報の分析欄

類似団体内平均値と比較して、特に償却率が高くなっている施設類型は、一般廃棄物処理施設、体育館・プールとなっている。特に体育館・プールでは、昭和３９年度から昭和６０年度建築が多くあるため、償却率が高い状態にあり近年においては体育館の内部改修を実施しているが依然として高い比率となっている。一方で庁舎にあっては、令和２年度において吉備庁舎大規模改修事業を実施したことにより、償却率が改善傾向にあるが類似団体と比較すると高い比率となっている。その他の施設で償却率の高い施設類型にあっては、各個別施設計画により、計画的な更新等を実施していくことで、維持管理コストの平準化を図っていく必要がある。