経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、平成24年度が他年度に比べて、低い数値となっている。要因としては、平成23年度発生の台風災害の影響による設置件数の減少と、特に平成23年度は年度末にかけての設置により、使用料が翌年度収入となったことから、最も低い数値を示している。平成28年度については、平成24年度に比べ次に低い数値となっており、その要因として、他会計からの繰入金のうち高資本費対策経費が、平成27年度は3,203千円に対し平成28年度は、1,565千円に減少していることによるものと思われる。今後、平成28年度から設置事業内容の変更により地方債の発行もなくなるため、今後地方債償還額の減少に加えて、適正な維持管理・経費削減に努めることにより、数値の向上につなげていきたい。企業債残高対事業規模比率は、平成24年度より減少傾向となっており、平成28年度から合併浄化槽設置事業の変更により地方債の発行もなくなるため、改善が見込まれる。経費回収率については、類似団体平均値とほぼ同水準となっている。今後更なる適正な維持管理を行い、数値上昇に努める。汚水処理原価については、類似団体と比べても数値が高いことから、今後は更なる適正な維持管理に努める。水洗化率についてはほぼ横ばいであり、類似団体と比べても低い水準となっている。当村は少子高齢化に伴う独居高齢世帯が多いため、このような未設置世帯が解消されないこと、またキャンプ場や営業店舗などは積極的に設置しているものの、水洗化率には反映されないことが要因となっている。今後も引き続き、未設置対象者に対して、普及促進に努めていきたい。
老朽化の状況について
平成13年度から始まった、特定地域生活排水処理事業の市町村整備推進事業において設置された約340基の浄化槽の維持管理等における負担が、年々増加してくることが予測される。今後は経営を圧迫しないように、長寿命化を目的とした計画的な維持補修管理を行い、健全な事業運営が維持できるよう努力していきたい。
全体総括
特定地域生活排水処理事業の市町村整備推進事業は平成27年度で終了し、平成28年度からは市町村設置型から個人設置型の浄化槽設置整備事業を始め平成29年度も引き続き事業を行う。今後維持補修等に係る費用を賄うためには、状況に応じて料金の見直し等を検討していくとともに、さらなる維持管理の効率化を図り、経費削減に努めていかなければならない。また、経営戦略に向けて検討していく。