経営の健全性・効率性について
①の経常収支比率は、100%を下回っており、経費削減に努めるとともに、使用料の適正化を図ります。②の累積欠損金比率が発生したのは、施設の更新に伴い資産減耗費が発生したことなどから収支が赤字になったためです。累積欠損金は次年度に解消する見込みです。③の流動比率は、24.91%と低くなっています。経費削減に努めるとともに、使用料の適正化を図り、資金の確保に努めます。④の企業債残高対事業費規模比率は、建設当初から多額の借入れを行ってきたことから類似団体平均、全国平均を大幅に上回っています。これに伴い、⑥の汚水処理原価も同様に平均を上回っています。しかし、償還のピークを迎え、企業債残高が減少していることから、今後は下降すると見込んでいます。⑤の経費回収率は、84.50%と類似団体平均、全国平均を下回っており、経費削減に努めるとともに、使用料の適正化を図ります。
老朽化の状況について
昭和54年度から供用開始し、徐々に老朽化が進んでいます。今後、建設ピークであった平成7年度ごろから平成18年度ごろの下水道施設が老朽化を迎えることから、可能な限り事業量を平準化しつつ計画的に改築更新を行っていきます。③の管渠改善率が平均より大幅に下回っているのは、現時点では耐用年数を超える施設がないためです。現在は、初期に埋設した下水道管等を中心に老朽化の調査を行い、損傷状況に応じた対策を実施しています。なお、①の有形固定資産減価償却率は、平成29年度から企業会計を導入したため、平成29年度は参考値で低くなっていますが、平成30年度は類似団体の平均値並みになっています。
全体総括
本市は、下水道施設の整備を短期間で行ってきたことから、借入額が多額になり、企業債償還金は支出の約4割を占めていますが、令和2年度ごろをピークに減少傾向へ転じる見込みです。一方で、初期に埋設した管渠が耐用年数の50年に近づき、今後は、老朽化対策の修繕費など、使用料で賄うべき経費が増加する見込みです。なお、令和元年8月に令和2年度から11年度までの10年間を計画期間とする「上下水道ビジョン(経営戦略)」を策定しました。今後は、上下水道ビジョンに基づき、計画的な維持更新を進めるとともに、効率的な事業運営に努めます。