経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を超えており、累積欠損金も0となっているが(②)、一般会計からの基準外繰入金を受けているため、経費回収率(⑤)は類似企業平均と比較しても低い水準となっている。一般会計からの繰入金は、予算段階で単年度の現金収支が一致するよう額を決定している。このため、翌年度中に償還予定の企業債元金の額を含めた流動資産を年度末時点で保有することは難しく、流動比率(③)は今後も同程度で推移していくことが予想される。また、現行の繰出基準をもとに計算すると、当事業の企業債残高は全額が一般会計の負担となる見通しである。このため、企業債残高対事業債規模比率(④)は0となっている。施設利用率(⑦)及び水洗化率(⑧)は、当事業の制度上、大きく改善することが難しいため、汚水処理原価(⑥)は将来に渡って現在のような水準が続く見込みである。
老朽化の状況について
管渠老朽化率(②)及び管渠改善率(③)の数値が0となっており、処理場についても稼働後20年未満の施設である。このため、有形固定資産減価償却率(①)は類似企業平均と比較すると高い数値となっているが、老朽化は大きな問題となっていない。
全体総括
当事業は令和元年度より地方公営企業法を適用したため、今回の指標が初年度の数値となる。これらの経営指標を参考に、一般会計からの基準外繰入金を縮減し、経費回収率(1.⑤)を向上するために必要とされる施策を検討し、令和2年度中に経営戦略として取りまとめる予定である。