経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率については、有収水量は増加していますが、地方公営企業法適用に伴う打切り決算で使用料収入が減額となったことから、前年度と比較し0.28%減少しています。地方債償還金は年々減少しているため、収益的収支比率の上昇が見込まれますが、今後も経営改善に向けた取組みが必要です。④企業債残高対事業規模比率については、地方債の償還が進んでおり、年々地方債現在高は減少しています。類似団体平均値は下回っていますが、打切り決算のため、営業収益である使用料収入の減額に伴い、比率が増えています。⑤経費回収率については、昨年度まで増加傾向にありましたが、打切り決算で使用料収入及び汚水処理費が減額となり、前年度と比較し0.02%減少しています。類似団体平均値を下回っておりますが、引き続き経営改善に向けた取組みが必要です。⑥汚水処理原価については、水洗化率の伸びに伴い年間有収水量が増加し、打切り決算で汚水処理費が減額したため、前年度と比較し、12.09円下がりました。⑧水洗化率については、年々微増しています。今後も水洗化率の向上に努めます。
老朽化の状況について
稲城市の下水道事業は昭和56年から始まり、現在、普及率は99.18%となっています。また、汚水管やマンホール等の耐用年数(50年)を超過する下水道施設はありません。市では毎年、下水道施設の点検や清掃等を行い、適正な維持管理を行っています。今後、下水道施設を計画的に維持管理し更新を行っていくため、ストックマネジメント計画(下水道維持管理計画)を策定中です。
全体総括
人口の減少傾向にある中、稲城市では区画整理事業等により人口は増加しています。公共下水道の整備区域拡大を図ると共に、供用開始区域の下水道接続の促進を行っており、水洗化率の上昇から有収水量の増加が見込まれ、企業債償還金の減少で汚水処理費が減額することから、経費回収率の上昇が見込まれます。今後、ストックマネジメント計画に沿って施設の老朽化対策を行っていくなど、持続可能な下水道事業を行うためには、安定した収入が必要です。引き続き経営改善に向けた取組みを行うと共に、平成31年度から地方公営企業法を一部適用し、安定した健全な経営ができるよう、経営基盤の強化に努めてまいります。