経営の健全性・効率性について
①経常収支比率、⑤経費回収率昨年度と同様に、経常収支比率は100%を超え、経費回収率は100%を下回っている。下水道使用料で回収すべき経費を賄えておらず、一般会計繰入金に依存する経営となっている。そのため、経営の効率化による経費削減に努めるとともに、使用料の見直しを検討する必要がある。②累積欠損金比率比率は0%であり累積欠損金は発生していない。③流動比率昨年度よりも比率は向上しているが、100%を下回っており、1年以内に現金化できる資産で1年以内に支払わなければならない負債を賄えていない。ただし、この債務の約77%は翌年度償還予定の企業債であり、償還に必要な原資を一般会計からの繰入金で得ることが予定されている。④企業債残高対事業規模比率全国平均、類似団体の平均を上回っており、計画的な投資による適正な債務残高の維持、適正な使用料収入の確保に努める必要がある。⑥汚水処理原価全国平均、類似団体の平均を上回っており、不明水対策等の維持管理費の削減に努める必要がある。⑦施設利用率下水処理場を有してないため、該当しない。⑧水洗化率類似団体の平均を上回っており、効果的な接続指導の取り組みが行えている。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率全国平均、類似団体の平均を下回っているが、これは平成29年度に企業会計に移行した際に、資産を新たに取得したと見なして帳簿価額を決定している影響であり、法定耐用年数を経過した雨水管渠や昭和49年の建設から40年を超えて老朽化が進んでいる汚水管渠が存在する。②管渠老朽化率全国平均、類似団体の平均を下回っているが、法定耐用年数を経過した雨水管渠については、改築更新に取り組む必要がある。③管渠改善率今年度、更新や改良した管渠はない。一部の雨水管渠を除き、法定耐用年数に達した管渠が存在しない。
全体総括
経営の健全性・効率性については、単年度の収支は黒字であり、累積欠損金も発生していないが、汚水処理費が使用料収入だけで賄えておらず、一般会計繰入金に依存する経営となっている。老朽化の状況については、現在、法定耐用年数に達した管渠はほとんどないが、令和6年度より法定耐用年数を超える汚水管渠が年々増加する。今後、人口減少による使用料収入の減少や管渠の老朽化による更新費用の増加など、経営環境がより厳しいものとなることが予想されるため、経営戦略(平成29年度策定)に基づき、経営の健全化、効率化を図ることが必要である。具体的には、下水道事業審議会において下水道使用料の改定を検討している。