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中山間に位置する本市の地域的な要因や人口減少、高水準の高齢化（令和４年４月１日現在３５．００％）などにより、自主財源に乏しい状況にある。引き続き、市政改革大綱実施計画に基づき、効率的な行政運営による財政の健全化を図るとともに、地域の活性化や新たな財源の掘り起こしを行うことで、財政基盤の強化に努める。
新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、地方交付税や地方消費税交付金（主に社会保障財源分）の大幅増があったことにより経常一般財源収入額（分母）が増となった。一方、経常経費充当一般財源（分子）については、簡易水道事業の法適化に伴う繰出金の減と補助費の増の差し引きで増、また、市有施設の包括管理業務の範囲拡大に伴う委託料や医療扶助費が増となったが公債費及び人件費は減となった。全体として増となり総じて、経常経費充当一般財源（分子）の増分が経常一般財源収入額（分母）の増分を下回った結果、４．９ポイントの減となった。２０５６年度までを計画年次とする公共施設適正管理計画に基づき、適切な財産管理を実施することで経常経費の削減に努める。
人口１人当たりの人件費・物件費等決算額は、物件費の増により、昨年度から４，７４１円の増額となったが、類似団体平均と比較すると３３，９９４円下回っている。民間委託の推進などの行政改革を行った結果、職員数を削減することができ、人件費の抑制に一定の成果をもたらしたところである。今後は、民間委託化による委託料の増加、施設の老朽化による維持補修費の増加などにより、物件費全体の増加が見込まれるため、計画的な維持補修の実施等、経費の節減に努める。
給与水準の適正化を行っているものの、職員構成の変動等により類似団体平均を１．０ポイント上回る９８．６％となっている。人事院勧告及び国の指導に準拠した給与制度を推進しながら給与水準の適正化を行い、今後も引き続いて国の給与構造改革に準じた適切な運用を図る。
令和４年４月１日現在の正規職員数は４１８人となっている。合併後の平成１７年度の正規職員数は５４２人であったが、行政改革大綱実施計画に基づく定員管理を実施し、１７年間で１２４人（２２．９％）を削減した。その結果、類似団体平均より２．８６ポイント低い数値となった。今後は、沼田市定員適正化計画（令和４年度～令和８年度）に基づき、地域の行政需要を考慮しつつ、適正な定員管理に努める。
起債に大きく依存することのない財政運営に努めてきたことにより、一定の改善傾向にある。今後も、地方債の借り入れに当たっては、各事業の適債性を十分勘案し厳選することで、公債費負担の抑制を図るとともに、起債に依存しすぎることのない財政運営に努める。
近年、数値は減少傾向であり、今年度は１７．０ポイント減の６２．８％となった。主な要因としては利根沼田地域農用地総合整備事業（利根沼田望郷ライン）の償還完了及び充当可能基金の増が挙げられる。将来への負担を少しでも軽減するよう、今後も事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
正規職員数の減に伴い、前年度から２．８ポイントの減となり、類似団体平均と比較すると１．３ポイント下回っている。民間委託の推進などの行政改革を行った結果、職員数を削減することができ、人件費の抑制に一定の成果をもたらしたところである。今後は、沼田市定員適正化計画（令和４年度～令和８年度）に基づき、地域の行政需要を考慮しつつ、適正な定員管理を実施するとともに人件費抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、施設の解体工事費の増等により前年度に比べ０．５ポイント上昇し、類似団体平均を３．２ポイント上回る数値となった。職員人件費抑制のため、業務の民間委託化を推進していることから、今後は委託料が増加する見込みであるが、施設の集約化・複合化の推進や、公共施設等の適正管理に努めることにより、物件費全体の経費の節減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は、前年度と比較して０．４ポイント減少したものの、類似団体平均と比較して０．７ポイント上回っている。今後も高齢化の進展などにより、総体的には増加が予想されるため、事業の見直しや健康増進施策の推進等により経費の抑制に努め、財政圧迫に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率は、前年度に比べ０．５ポイント減少し、類似団体平均との差が２．６ポイントに縮まった。主な要因としては、簡易水道事業の法適化による操出金の減少が挙げられる。経費を節減するとともに、独立採算の原則に立ち返った料金の見直しなどを行って健全化を図ることにより、普通会計の負担額を減らしていくように努める。
補助費等に係る経常収支比率は、前年度から０．３ポイントの減となったが、類似団体平均を４．４ポイント上回る数値となった。主な要因は、特別定額給付金の減である。今後は、各種団体の補助金も含め、公益上の必要性や効果などを十分勘案したうえで、比率を注視しつつ引き続き適正な財政運営に努める。
起債に大きく依存することのない財政運営に努めてきたことにより、減少傾向である。近年、大型ハード事業が集中したことにより、償還開始以後は公債費の増額が見込まれるため、今後も引き続き事業の適債性を十分勘案・厳選し、地方債の発行には最小限にとどめるよう努める。
公債費以外の経費にかかる経常収支比率は、前年度と比べると３．５ポイント減少したものの、類似団体平均を大幅に上回っている。主な要因としては、年々増加傾向にある施設の維持管理経費などが挙げられる。今後、公共施設適正管理計画の推進をはじめ、事務事業の見直しや各種事業の優先度を適切に判断し、歳出の抑制に努める。
（増減理由）基金全体としては９５０百万円の増となり、昨年度に続き増加となった。主な増の要因は、財政調整基金の増である。（今後の方針）財政調整基金を確実に機能させるために適正規模内での運用及び積み立てを行うこととしている。次の庁舎整備を見越し、庁舎整備基金へ計画的な積み立てを行う。また、水と緑の大地ふるさとぬまた基金、森林環境譲与税基金については、引き続き積み立てを行うとともに、適当な事業へ充当するため計画的に取り崩すものとする。
（増減理由）新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、イベントなど市単独事業が多数中止され、令和２年度歳出決算額が当初より大きく縮減されたことで、決算剰余金積立額が膨らんだ。令和３年度当初の見込みを上回る市税収入の回復及び地方交付税の追加交付などにより、財政調整基金の取り崩しをおこなう必要がなかった。（今後の方針）災害等、不測の事態への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、積み立てることとしている。
（増減理由）普通交付税の追加交付分（臨時財政対策債償還基金費）を積み立てたことにより、２２４百万円の増となった。（今後の方針）今回積み立てた２２４百万円については、令和３年度発行の臨時財政対策債元金の償還期間である令和６年度～令和２３年度の１７年間で繰り入れることとする。
（基金の使途）・福祉振興基金将来の本格的な高齢化社会に備え、福祉事業の振興を図る。・電子地域通貨基金地域経済の活性化に資する沼田市電子地域通貨事業の安定的な運営を図る。・温泉事業基金沼田市温泉休養施設における温泉事業を円滑に運営し、住民福祉の増進と地域の観光振興を図る。・水と緑の大地ぬまたふるさと基金沼田市を思い、応援する個人又は法人その他の団体（以下「寄附者」という。）からの寄附金を財源として、ふるさとぬまたのまちづくりに活用する。・沼田城建設基金沼田城建設に備え、あらかじめ積み立てを行い、その財源とする。（増減理由）・電子地域通貨基金電子地域通貨事業について、本格運用が開始され未使用分のチャージ収入を積み立てたことにより皆増。・合併振興基金庁舎等複合施設の管理事業等の財源として、１００百万円取り崩したため減。・水と緑の大地ふるさとぬまた基金ふるさと納税の増により、３１百万円の増。（今後の方針）・合併振興基金今後も引き続き、地域振興を推進する各種事業に充当し、ゆるやかに減少していく見込みである。・庁舎整備基金次回の庁舎等整備を見据えて積み立てを行う予定のため、ゆるやかに増加していく見込みである。・温泉事業基金今後も指定管理者からの固定納入金の一部を積み立てていく予定であるが、老朽化が進行している温泉休養施設の大規模更新の財源として取り崩されることが想定されるため、減少していく見込みである。
当市では、平成２８年度に策定した公共施設等総合管理計画において、令和３８年度までに公共施設等の延べ床面積を４０％削減するという目標を掲げ、個別施設計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めている。有形固定資産減価償却率については、２年連続で類似団体平均を下回り、これまでの取組の効果が徐々に表れてきていると思われる。
債務償還比率は、類似団体と比較して高い水準である。要因として、庁舎等複合施設整備事業や給食センター整備事業などの大規模ハード事業に地方債を活用したため将来負担額が高いことが挙げられる。大規模ハード事業も令和３年度で一定の区切りとなることから地方債に依存しすぎることのない財政運営を推進し、数値の改善に努める。
将来負担比率は類似団体と比べて高い水準にあるが、令和元年度がピークであると見込まれる。有形固定資産減価償却率については、2年連続類似団体平均を下回った。公共施設等総合管理計画において、令和38年度までに公共施設等の延べ床面積を40％減少するという目標を設定し、老朽化した公共施設等の集約化・複合化を積極的に進めるため、個別施設計画に基づき取組を推進している。
実質公債費比率については、減少傾向にある。これは、行政改革大綱実施計画に基づき、市債発行額の抑制に配慮してきたことや、新たな債務負担行為の設定を極力行わずに財政運営を行ったことによるものである。将来負担比率は、類似団体と比較しても高く、庁舎等複合施設整備事業や給食センター整備事業等の大規模ハード事業における地方債残高が増加したことなどから上昇傾向であったが、ここ2年間は減少傾向となっている。ただ、令和3年度に関しては、新型コロナウイルス感染症対策に係る影響が大きいことが要因として挙げられるため、将来にわたって健全で安定した財政運営を行うために引き続き数値の改善に努める。
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