経営の健全性・効率性について
(1)収益的収支比率・経費回収率・汚水処理原価収益的収支比率は汚水処理に要する経費の負担区分の再精査により、昨年度と比べ大幅に改善しました。汚水処理原価については、有収水量の算定方法を見直したことにより、汚水処理費用は約1.8倍に上昇しましたが、他団体の有収水量の捕捉状況を調査し、汚水処理原価の適正性について改めて検討する必要があります。平成30年度をもって事業を中止することから、事業規模の小さい本事業単体での経営状況の好転は今後見込みにくいものと考えます。(2)企業債残高対事業規模比率本指標は、公費負担割合(一般会計が負担する割合)が100%であるので、当該特別会計で負担するべき地方債残高は平成29年度も0となりました。
老朽化の状況について
浄化槽の躯体の耐用年数は、おおむね30年以上とされています。これまで、本事業において設置した浄化槽の躯体更新実績はありません。また、浄化槽の内部設備については、浄化槽法に定められた保守点検・清掃・法定検査を適正に行い、機器の予防保全に努めていています。
全体総括
本町の個別排水処理事業は、平成26年度から事業を開始し平成29年度末で計28基の公共設置を行っています。これらの整備に要した起債については、平成32年度から償還が始まることや平成30年度をもって新たな施設整備を中止することにより使用料収入の増収は見込めないことから、今後、苦しい経営状況となっていくものと考えます。事業のあり方も含め、将来的な見通し(維持管理経費及び起債の償還状況等)をもって事業経営に努めていく必要があります。