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三重県桑名市:公共下水道の経営状況(2023年度)

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経営比較分析表(2023年度)

経常収支比率

累積欠損金比率

流動比率

企業債残高対事業規模比率

経費回収率

汚水処理原価

施設利用率

水洗化率

経営の健全性・効率性について

経常収支比率は総収益の増加より費用の増加が上回った結果、前年度に比べ2.32P減少となったが、類似団体平均値を上回っており、累積欠損金が発生していないことからも健全な状況であると言える。経費回収率も前年度に比べ6.34P減少しているが、これは流域下水道維持管理負担金の費用計上方法が変更になったことが影響しており、汚水処理原価の上昇要因にもなっている。しかし、100%以上は維持できており、使用料で回収すべき経費を使用料で賄うことができている状況である。流動比率は現金預金の増加により前年度に比べ7.97P改善したが、類似団体・全国平均値と比べても低い状況であり、資金の枯渇を防ぐために他会計からの借入や資本費平準化債などを発行せざるを得ない状況が続いている。しかし企業債残高対事業規模比率は借入額が償還額を下回り企業債残高が減少しているため低下傾向にあり、投資規模は適切であり流動負債に対する支払能力は保持していると言える。水洗化率については、処理区域内人口の増加割合と比べて水洗化人口が微増であることから、前年度から減少している。今後も引き続き普及啓発に努める必要がある。施設利用率については、令和4年度から分母の晴天時現在処理能力を分子の処理水量と同様に単独施設と流域関連施設の合計の数値に修正した結果、類似団体平均値並みの数値を維持しており適正な規模であると言える。

有形固定資産減価償却率

管渠老朽化率

管渠改善率

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率と管渠老朽化率については、類似団体平均より低い水準であるものの徐々に上昇を続けており、固定資産の老朽化が進みつつあることが読み取れる。しかし、管渠改善率をみても管路の更新・改良・維持は進んでいない状況である。実際には、既に老朽化の進んでいるポンプ場・処理場や、法定耐用年数には至らないものの劣化の進んでいる管路もあり、これらの更新や長寿命化への対応が必要となっている。また、今後耐用年数が経過し更新時期を迎える管路の整備・更新に向けた投資についても計画的に行っていく必要がある。

全体総括

持続可能な下水道事業の運営のため、経営戦略の投資計画に基づき、汚水管路の普及拡大及び雨水浸水対策など合理的な設備投資の実施に努めている。年度末に改定した経営戦略においては、下水道普及率約91%を目標に整備を行っていくこととしており、そのためには様々な財源を確保することが求められるが、下水道使用料は全体として水洗化人口の減少により徐々に減少していくことが予測される。そのため、経営の健全化・効率化に向けた取り組みを進め安定的な事業運営に繋げていくことが求められる。今後もコストキャップ型下水道の整備や既存施設・管路の維持管理費の原価上昇が予想される中、汚水処理費の抑制を図り経費回収率の維持・改善に繋げることが重要と考えられる。

出典: 経営比較分析表,

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