地域において担っている役割
一般医療はもとより、救急医療、精神医療、高度医療、特殊医療、不採算医療、医療従事者への研修などの役割を担っている。また、離島であるという地理的条件を踏まえ、可能な限り地域完結型医療の提供体制の整備に努めており、周辺離島における救急搬送の受け入れているほか、町立診療所の後方支援も行っている。4附属診療所を運営し、プライマリ・ケアを中心に地域に必要な医療を提供している。また、医療圏唯一の感染指定医療機関として、新型コロナウィルス感染症患者の受入・治療、市町村・地域医療機関と連携した体制の確保、及び感染拡大の防止等において中心的な役割を担う。
経営の健全性・効率性について
前年度下期に新病院へ移転し、施設・医療機器等が一新されたこと等により、今年度は患者数、病床利用率、診療単価が改善し、経営の健全性・効率性を示す指標は全て前年度に比較してより健全・効率的な運営ができている。一方、施設・医療機器を整備したことによる減価償却の負担と、整備に要した債務の返済が、後年度に渡り継続するため、これらに対応した収益・資金をしっかりと確保する運営が必要となる。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率は、平成26年度の会計基準見直しに伴うみなし償却制度の廃止により有形固定資産減価償却累計額が増加し、その後は経年により上昇していた。H30年10月1日に新病院を開院し、建物の一新と器械備品の更新を行ったことから、有形固定資産減価償却率、器機備品減価償却率ともに減小している。1床当たり有形固定資産は、これまでは計画的に更新を実施していたことから同水準となっていたが、新病院移転後の器機更新等で上昇している。
全体総括
■課題等・医療職の確保(医師、看護師、コメディカル)・病床利用率の水準維持■対策、今後の方向性1.収益の確保・診療単価の維持、向上(医事課・経営課の連携による算定漏れ防止、算定向上、紹介患者の確保等)・医療の質の向上、患者満足度向上・病院広報の強化・地域医療機関との関係強化2.費用の縮減・材料の低廉購入・委託費の適正化(委託業務範囲、仕様の精査と必要な見直しの実施)