地域において担っている役割
救急医療、高度医療、特殊医療、不採算医療、医療従事者の研修などの役割を担っている。地域医療支援病院や災害拠点病院に指定され、また平成28年5月には地域周産期母子医療センターに認定され、北部医療圏における周産期医療の中核を担っている。平成28年12月に地域包括ケア病棟を設置し、在宅医療の支援に努めている。このほか、離島2箇所にある附属診療所を運営し、プライマリ・ケアを中心に地域に必要な医療を提供するとともに、相互に連携して救急医療にも対応している。
経営の健全性・効率性について
新型コロナの感染拡大による患者数の減少に加え、脳外科医師の退職による影響で入院収益・外来収益が大幅に減少し、②医業収支比率は低下した。一方、国による空床確保料等のコロナ対応に伴う補助金により、医業外収益が増加したことで①経常収支比率は平均を上回った。③累積欠損金比率及び⑦職員給与費対医業収益比率は、医業収益の減少に伴い増加した。⑤入院患者1人1日当たりの収益は、診療報酬改定による入院基本料加算の増、新設加算の取得、新型コロナの感染拡大による臨時的取扱等により上昇、⑥外来患者1人1日当たりの収益についても、指導管理料等の算定向上の取組や新型コロナによる診療報酬の臨時的取扱等により上昇している
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は微減であるが、類似病医院平均値、全国平均と比較して、高い水準にある。器械備品減価償却率は、機器の更新等に伴い減少傾向を示しており、令和2年度からは類似病医院平均値、全国平均を下回っている。1床当たり有形固定資産については、上昇傾向にあるが、類似病医院平均値、全国平均と比較して、低い水準にある。建物や設備については、全体的に経年相当以上の劣化が進行しているため、計画的な設備投資が必要である。
全体総括
■課題・コロナと非コロナの医療の両立を図る・高い水準にある職員給与費対医業収益比率・コロナ収束後に向けた取組■今後の対策と方向性1収益の確保・新型コロナに係る臨時的診療報酬への迅速な対応・多職種連携による病院機能の向上、医療の質の向上、経営の質の向上を目指し「ワンチームPJ」の活動継続2費用の縮減・業務内容の見直し等による時間外勤務の縮減・原価計算を利用した薬剤、診療材料の見直し3その他の取組・紹介患者の増加のため、医療機関等訪問・メディアの有効活用・医療要員の充実・強化・地域包括ケアシステムの構築に向け、地域と連携し、地域完結型医療の提供体制の役割について検討を進める