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地理的に特異条件下におかれているため、人口が少ないことや村内に安定した収入を得られる産業や企業がなく、村民所得が低い(2013年人口一人当たりの所得1,279千円・前年比増加率-8.8%・県民所得比較53.3%(鹿児島県平成27.3公表)ことなどから、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。引き続き、人口減少を食い止めるために展開している産業育成施策を中心とした定住促進対策に取り組み、村民所得の向上に努める。
全国平均及び鹿児島県平均より大きく下回っているものの、平成26年度比で0.1%増加している。この要因は、普通交付税で14.6百万円(1.1%)増加しているのに対し、経常的な人件費で15.2百万円(4.3%)増、経常的な物件費で27.7百万円(8.7%)増が影響している。歳入における普通交付税の見通しは不透明であるが、歳出においては、ここ数年の人口増加による扶助費及び職員マンパワー不足による非常勤職員の増加、職員の年齢層の高齢化による人件費の増加が懸念されるところであり、適正な定員管理に努めるとともに公債費を含む経常経費の抑制に努める。
有人島7島に要する行政コストに対して、分母となる人口が少数であることから類似団体平均を大きく上回っている。人件費については、児童福祉にかかわる職員等が2名増、産業振興にかかわる職員が2名増の影響が大きい。物件費については、産業振興、環境美化等にかかわる賃金関係で12.7百万円(72.6%)増が影響している。平成27年度から本格的にスタートしている地方創生にともなう優良繁殖雌牛導入事業(年間約70頭の繁殖雌牛導入)で平成27年度から平成31年度まで毎年50百万円の事業となり、物件費に与える影響が今後懸念される。引き続き、適正な定員管理に努めるとともに、事務事業の点検・見直し、事業の廃止や縮小を検討し、経費の節減に努める。
平成27年度においては、給料表上の引上げ率が国の引上げ率に対し、0.4増加していること、経験年数階層の変動指数が1.2増加していることが影響している。全国平均、類似団体平均に対して下回っている状況であるが、今後においても、国や県、周辺市町村の動向を参考に給与の適正化に努める。
有人離島を複数かかえているため、人口規模に対して、人的にも財的にも大きな負担をしいられていることから、類似団体の平均を大きく上回っている。住民サービスを低下させることなく、引き続き、適正な定員管理に努める。
平成6年度許可一般公共事業等債の償還終了等により元利償還金は、前年度比21百万円減少したが、基準財政需要額に算入される公債費が37百万円減少したこと、平成25年度から繰上償還の影響を受けなくなってきていることなどが上昇の要因である。単年度比でみた場合、0.39下がっているが、引き続き、地方債発行額をはじめ、経常経費の抑制に努める。
充当可能財源が将来負担額を上回っているため、将来負担比率は発生していないが、今後も負担を将来に転嫁しないよう、新規事業や起債事業の実施等については総合的に検討し、現在の水準を維持する。また、将来負担となり得る大規模な事業(ブロードバンド再整備、岸壁整備、庁舎耐震化、防災行政無線デジタル化、公共資産修繕など)については、新たな基金を創設し、計画的に積立てを実施していくなどの対応を図る。
類似団体の平均と比較すると経常収支比率は低くなっているが、人件費は、前年度比18.6百万円(4.9%)の増となっており、経常的なものについては、前年度比15.2百万円(4.3%)増となっている。児童福祉費の子育て支援員の配置によるもので5.7百万円、農林水産業の新規採用職員の人件費及び人事異動に伴うもので11百万円の増、教育費の歴史民俗資料館等の管理人にかかわるもので2.1百万円などが主な要因である。人件費の大部分を占める職員の人件費の抑制について、退職者の不補充で対応してきたが、人口激減対策、子育て対債、医療・介護環境の充実、産業振興などの対策のため、ここ数年、新規職員を積極的に採用している。これらの人件費が将来的に大きな負担となることが予想されることから、全体業務の内容精査、効率化を図り、人件費の抑制、適正化に努める。
物件費で前年度比55.5百万円(12.3%))の増となっており、経常収支比率についても2.63百万円(1.9%)増となっている。この主な要因は、臨時的なものでは、地方創生に伴う優良繁殖雌牛導入事業で4.6百万円の増(皆増)、経常的なもので地域住民雇用に伴う賃金で12.7百万円(137.7%)増が大きく影響している。今後においても人口対策に係る産業振興等の事業のほか、地域に民間が参入する見込みのない分野でナショナルミニマムを達成するため、ブロードバンド施設や子育て関連事業、介護事業などの需要が伸びると考えられることから、緊急・重要な事業を見極め、効率のよい財政運営に努める。
扶助費については、ここ数年同水準で推移しているが前年度比0.1%下がっていいる。この主な要因は、老人福祉施設への入所者数の減による老人福祉措置費が2.5百万円(40.6%)減になっていることが大きい。人口対策、高齢化対策として、村単独で実施している定住促進対策(節目助成、出生助成、生活支援金など)、住民医療費助成事業、高齢者優待乗船券事業などについても、今後、人口増による未就学児の増加及び高齢者の増加が予想され、扶助費の増加が想定される。このため、村単独の扶助費については、平成28年度に見直しを実施したが、平成29年度についても更に内容の見直しを行い、財政への負担軽減に努める。
若干減少しているが、繰出金については、56.1百万円(43.0%)の減となっており、国民健康保険特別会計(財政安定)への繰出しで16.3百万円(90.5%)の減、簡易水道特別会計への繰出しで26.4百万円(56.7%)の減などの影響である。
行政改革による補助事業の廃止及び見直しにより、類似団体の平均を下回っている。経常収支比率では、1.2%減となっているが、決算額では11百万円(5.2%)の増となっている。これは、定住促進対策費で11.7百万円(331.8%)増、地方創生事業費(消費喚起及び交流人口拡大)で11.2百万円の増(皆増)などが影響している。今後、更なる人口対策を講じていく中で、産業分野の育成、UIターン者の生活基盤の確立を支援するための補助費の増加が予想される。このため、村単独の補助費は、平成28年度に見直しを実施したが、平成29年度についても更に内容の見直しを行い、財政への負担軽減に努める。
平成19年度から22年度にかけて実施した高利率の地方債の繰上償還の影響で公債費に係る経常収支比率は年々減少してきたが、類似団体の平均を上回っている。平成6年度港湾事業債、平成14年及び平成16年度辺地債の償還に伴い公債費は減少し、経常収支比率は前年度比1.9%の減となっている。今後においても、財政力が弱いこと、及びナショナルミニマムを達成するための基盤整備が遅れていることから、港湾、通信、道路を中心にまだ多くの地方債を必要とするが、地方債発行額が当該年度の元金償還額を上回らないよう公債費残高の減少に努める。
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