経営の健全性・効率性について
経常損益については、「経常収支比率」が100%以下となり、収支状況は赤字であることを示しています。「料金回収率」は、類似団体より低い比率で推移しています。料金収入のみで費用が賄えず、一般会計からの繰入金を受けて事業を運営している状況です。「累積欠損金比率」は昨年度より12.32ポイント上昇し、類似団体の平均値を大きく上回っており、経営改善を図っていく必要があります。「流動比率」は、大幅に100%を上回りましたが、これは未払金の減少によるものです。また、水道事業からの一時借入金(年度内に返還済)を受けており、必ずしも十分な支払能力があるとはいえない状況です。また、「給水原価」は、類似団体より高い比率で推移しています。今後、給水収益の増加は見込めず、厳しい経営環境にあるため、引き続き経費削減に努め経営改善を図っていきます。「企業債残高対給水収益比率」は、現在、上水道事業への統合に向けた施設・管路の整備を進めていることから、類似団体より高い比率で推移しています。今後も適正な投資規模を検証し、計画的に事業を進めていきます。「施設利用率」は類似団体より高い比率で推移しております。引き続き、適正規模を検証しながら、効率的な施設運用を進めていきます。「有収率」は、類似団体の平均値並みですが、依然として、配水管等における漏水が多く発生しています。漏水多発地域における老朽管更新を推進し、有収率の向上を図っていきます。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は、昨年度より3.87ポイント上昇しましたが、類似団体より低い比率を維持しており、また、「管路更新率」は昨年度より0.35ポイント低下しましたが、類似団体より高い比率を維持しています。これは、現在、上水道事業への統合に向けた施設・管路の整備を進めていることによるものです。しかし、「管路経年化率」は類似団体より高い比率で推移しており、更新の必要な老朽管がまだ多数存在している状況にあります。今後は、今年度中に整備予定の施設台帳及び管路台帳により、資産の現状を正確に把握し、計画的な更新投資を実施していきます。
全体総括
各指標において、類似団体の平均値との比較で優位な指標が一部ありますが、全体をとおして健全な状況とは言えません。給水収益については、年々減少傾向にあり、一方で施設等の老朽化に伴う更新費用は増加しています。厳しい経営状況にある中で、より効率的な事業運営を推進していく必要があります。また、上水道事業への統合に向けて施設整備を進めておりますが、計画の実施状況及び今後の収支計画等を検証しながら、既存施設の更新等を含めた計画的な事業の推進が必要となります。今後、経営戦略に基づき、更なる経営の健全化及び効率化を進めていきます。