西条市：簡易水道事業（法適用）

経営の健全性・効率性について

簡易水道事業は、上水道事業と比較して規模が小さく、料金収入のみでは経営をすることが困難であり、収支の不足分に関しては一般会計からの繰入により補填している状況である。①収益的収支比率については、100％を大きく下回っており、経営に必要な収益を確保できておらず、類似団体と比較しても低い水準にある。平成30年6月請求分より西条地区の水道料金の改定（値上げ）を行ったため、改善が見られる。⑥給水原価については、本市は類似団体に比べ、低く抑えられている。これは、良質な地下水が豊富なため、高度な浄水施設等が不要なためである。その結果、⑤料金回収率は類似団体と比較して良好であるが、100％を大きく下回っており、給水に係る費用を料金から回収できていない状況である。⑧有収率については、類似団体に比べ、高い水準を保つことができている。④企業債残高対給水収益比率については、類似団体に比べて低い水準であり、改善も見られるが、これは、近年、大規模な更新を行っておらず、企業債残高が減少傾向にあるためであり、企業債に依存した経営状況ではある。⑦施設利用率については、類似団体と比較して低く、今後も給水人口の減少による低下が予想される。そのため、施設の更新時期を迎えた際に、ダウンサイジングや施設の統合も視野に入れた計画を立てる必要がある。

老朽化の状況について

③管路更新率は類似団体と比較して低い水準にあるが、⑧有収率を高い水準に保つことができているため、必要な更新が行われていると捉えることができる。現在は、限られた財源の中で、老朽化施設のうち、優先順位の高いものから適宜更新を行っている状況である。

全体総括

簡易水道事業は、上水道事業と同じ料金水準としているが、経営効率が悪いため、料金収入のみで経営の健全性を確保することは困難な事業である。そのため、企業債や一般会計からの繰入金に大きく依存している。特に一般会計からの繰入金については、水道使用者以外にも負担を強いることになっており、負担の公平性の観点から望ましい状況ではなく、経営の改善が必要である。また、今後、人口が減少し、施設利用率も低下していく中で、簡易水道事業単独で経営を維持することは困難であると判断し、令和3年度に上水道事業等との経営統合を計画しているところである。