経営の健全性・効率性について
萩市の林業集落排水事業は、平成13年に供用開始し事業は完了している。本施設は20戸未満の小規模であるため投資規模が小さいことや、自然流下のみでマンホールポンプなどの機械設備もなく維持管理経費が掛らないことから類似団体平均値と比較すると企業債残高対事業規模比率、経費回収率及び汚水処理原価においては健全となっている。施設利用率及び水洗化率については、山間部の人口散在地区であることから今後も高齢化や後継者不足等で大幅な増加は期待できない。
老朽化の状況について
供用開始から17年が経過しており、処理施設の機械設備の定期整備を計画的に行って延命化を図っているところである。管渠については、耐用年数から対策は行っていないが必要に応じて調査を行っていく予定である。
全体総括
地方公営企業法適用前年ということで打ち切り決算を行ったため、未払金の影響により経費回収率や汚水処理原価は改善したように見受けられるが、維持管理のみを行っている事業であるため、未払金を算入した場合は前年までの数値と大きな変化はないと推察される。全体的に平均値より低く経営等の改善を求められているが、事業の性質、地域の特性などを考慮すると経費の改善や使用料改定などでは大幅な改善は見込めない。平成26年に下水道及び集落排水等の使用料を統一し、平成30年度からは地方公営企業法の適用に併せて事業別にあった特別会計を公営企業会計として一本化することから、萩市全体で一つの下水道事業として持続可能な事業運営に取り組んでいくところである。