経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】平成28年度から法適用への移行経費が計上されたため臨時的に比率の低下が顕著になっている。【企業債】整備事業は終了しているため、新規布設のための大規模な借入は予定していない。起債元利償還金は2027年頃をピークに減少していく見込み。【水洗化率】少人数を対象とした集落排水事業である。水洗化率もほぼ100%であるため、新規利用者の大幅な増は見込めない。そのため、人口の増減がそのまま使用料収入の増減となる。現在でも、収入不足額は一般会計からの繰入金により補填しているが、人口減の問題はこの地区においても例外ではないため、使用料収入の確保は困難になると思われる。【汚水処理原価・経費回収率】汚水処理原価を構成する費用のうち、起債元利償還額は数年間は同水準で推移する。また、汚水維持管理費は修繕費や光熱水費などの必要経費であり、汚水処理費用の大幅な削減は困難な状況である。今後、人口減に伴う使用料収入の減が見込まれるため、現状の経費回収率を維持することは困難となる。
老朽化の状況について
平成9年度に事業を開始した比較的新しい施設・設備であるため、現状では目立った老朽は報告されていないが、機器更新の時期が間もなく到来するため、必要性・緊急性を検討した対応が必要。
全体総括
使用料の減は避けられない状況であるため、収益的収支比率・経費回収率を維持するのは困難である。また、平成初期に整備した管渠の耐用年数が20年後には到来する。事業の必要性、緊急性の検討と併せて更新事業財源確保策としての適正な使用料の検討も必要である。なお、当市の4下水道事業(公共、特環、農集、林集)は料金形態が統一されているため、料金の改定にあたっては総合的に判断する必要がある。