経営の健全性・効率性について
本市下水道事業は平成30年度に公営企業法適用し、公営企業会計に移行したため、各指標は平成30年度のみとなっています。①収益により費用を賄えている割合(経常収支比率)は、一般会計から一定の基準外繰出金を受けていることから、類似団体平均値と同水準にあります。③流動比率は、過去に発行した企業債に係る流動負債の負担が大きいことから、類似団体平均値と比較して3割程度低い水準にあります。④料金収入に対する借入金の残高の割合(企業債残高対事業規模比率)は、借入金の返済により残高は減少傾向にはありますが、過去の投資に伴い類似団体平均値と比較して2.4倍程度の高い水準にあります。⑤費用を使用料収入で回収する割合(経費回収率)は、人口減少に伴い料金収入が伸び悩むなか、汚水処理に要する経費が増加傾向にあるため、類似団体平均値よりやや低い水準にあります。⑦施設利用率は、単独処理場を設置していないため、当該値を計上していません。⑧下水道の処理区域において汚水処理が行われている人口割合(水洗化率)は、接続に際しての住民の経済的負担の大きさなどから、類似団体平均値より1割程度低い水準にあります。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値より低い水準にあり、法定耐用年数に近い資産は比較的少ない状況にあります。②法定耐用年数を超えた管渠延長の割合(管渠老朽化率)は、類似団体平均値より高い水準にあり、法定耐用年数を経過した管渠が比較的多い状況にあります。③平成30年度に更新・改良・修繕等を行った管渠延長の割合(管渠改善率)は、類似団体平均値よりやや高い水準にあるものの、全ての管路の更新には長期間を要する状況にあります。
全体総括
使用料収入が減少する中で、維持管理費や借入金返済額の増加、下水道未普及対策と並行した老朽化対策の実施などの経営環境の課題に対応するため、以下の取組を進めます。収益面においては、水洗化の促進による施設の有効活用や使用料水準の適正化検討などによる財源の確保に取り組みます。費用面においては、財源に見合った計画的かつバランスのとれた投資、それに伴う借入金の返済額の圧縮、維持管理の一層の効率化に取り組みます。これらの取組に加え、平成30年度の公営企業会計への移行と現在進めている経営戦略の策定により経営状況の透明性向上と経営基盤の強化を図り、安定的かつ持続可能な事業運営に努めてまいります。