経営の健全性・効率性について
平成22年度の新規の処理区の供用開始及び拡大に際し起債額が増加したことにより、収益的収支比率は低下している。また、企業債残高対事業規模比率は、一般会計繰入金の算定方法等により数値が上昇している。今後、下水道事業10年概成に向け収益的収支比率の低下、企業債残高対事業規模比率の高比率状況での横ばいが予測される。一方、経費回収率及び汚水処理原価率は、繰出基準見直しによりそれぞれ改善が見られるが、今後整備面積の拡大、不明水対策、下水道施設の老朽化に伴う維持管理費の増額等が見込まれることから、平成31年度には審議会での答申を参考に料金の改定を実施する予定であり改善が見込まれる。水洗化率については、毎年度供用開始区域が拡大されるため、年度当初の値は横ばい状態である。
老朽化の状況について
県の区画整理事業に伴い設置された管渠の移管にともなう公共下水道、民間商業団地からの贈与により得た2地区の下水道管渠の老朽化が著しい状況である。当該管渠は、計画的に管更生等の改修事業を実施している。また、流域関連公共下水道事業(S63管渠敷設事業開始)、広域公共下水道事業(H19管渠敷設事業開始)についても、計画的な対策を実施する。中徳倉地区管渠管渠延長:4.4km更生等実施率84.2%(前年+5.2%)
全体総括
当町の下水道整備事業の人口普及率は県平均以下の61.1%となっているため、依然として建設改良費に多くの投資が必要と見込まれる状況であり、効率的な経営を行うに至っていない。一方、区画整理事業に伴い一部区域に設置した管渠及び民間商業団地から贈与された管渠の老朽化への対策が必要であり長寿命化対策の実施も欠かせない状況となっている。今後、処理区域の整備の推進、水洗化率の向上、経費削減の創意工夫及び適切な料金設定等により自主財源の確保、適切な事業配分が必要である。