経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率が30%程度悪化したのは、繰入金額が減少したことによるものである。総収益の67%は繰入金。処理区域人口が50人と非常に少ないため料金収入だけで維持しようとすることは非常に難しく一般会計繰入金に依存した経営にならざるを得ない。繰入金が減少したことによる収益悪化はその証左である。②汚水処理原価が下降し経費回収率が若干上昇した。全国平均よりも原価は低いが、区域内人口が少なく、人口減少により有収水量が減少すると、汚水処理原価、経費回収率に大きく反映されやすい。③経費回収率の改善は人口が1人減ったものの料金収入がほぼ横ばいであったことよるもの。④近年は事業が行われず維持管理費のみであるが、元利償還金のピークが平成37年以降となる。料金で資本費を回収することは現状の料金体系では困難。⑤平成29年度に料金改定が行われ、見込では料金収入は今後2倍近く増収となる。一般会計からの操出金はかなり減少する見込みではあるが、独立採算は難しい。⑥投資コストを料金で回収することは厳しく、維持管理費すら料金で賄えていないのが現状である⑦施設利用率は横ばい。今後人口減というよりは集落が消滅する可能性もある。近隣施設との統合も管路の延長を考慮すると困難であることが考えられ、施設の在り方を検討する必要がある。
老朽化の状況について
・平成8年に供用が開始された施設で、管路施行及び処理施設の躯体部については、まだ20年しか経過していないため更新計画はないが、機械及び電気設備については、整備計画に基づき老朽化施設の更新を行っている。
全体総括
・料金改定を実施しても使用料収入だけで資本費・維持管理費を回収することは困難で、一般会計に依存した経営にならざるを得ず、抜本的な経営の在り方を考える必要がある。・近隣施設との統廃合も困難であり、林業集落排水施設の区域の下水道事業の在り方を考える必要がある。