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3カ年平均の財政力指数については、景気低迷に伴い平成22年度から3年連続して低下、平成26年度は横ばいとなっているが、0.99と類似団体平均を上回っている。また、単年度で財政力指数をみると、平成21年度は基準財政収入額の減少により、1.19となり、平成22年度は基準財政需要額の増加及び基準財政収入額の減少により、1.02と大きく悪化した。さらに、平成23年度は、基準財政需要額の増加により、0.99となり、10年ぶりに交付団体となった。平成24、25、26年度は、基準財政収入額及び基準財政需要額ともに増額しているが、4年連続で交付団体となっている。基準財政収入額については、税源涵養施策の推進及び徴収業務の強化など歳入確保に努める
平成21年度以降は、景気低迷の影響などにより、経常一般財源が減少を続ける一方、少子高齢化社会の急速な進行に伴い、経常経費充当一般財源が増加傾向にある。これらのことから、平成23年度まで、経常収支比率は上昇を続けている。平成24、25年度の臨時財政対策債を減じた比率は、両年度ともに95.5%であったのが、平成26年度は97.2%となり、非常に厳しい財政運営となっている。なお、当市は平成18年度から平成23年度まで、臨時財政対策債を借り入れていないことから、他団体と比較する際には留意が必要である。今後も引き続き、行政改革等を推進することにより、経常経費の抑制に努めるが、社会保障関係経費の自然増等や制度改正が見込まれるため、その動向を注視する必要がある。
全国平均と比較して、人件費・物件費等決算額が下回っているのは、人事院勧告に基づく給与構造改革や定員管理による職員数の適正化などにより人件費の抑制に努めていることや、総合窓口委託及び指定管理者制度導入などにより各経費の削減に努めたためである。人件費は義務的経費であることから、その動向により、財政の硬直化を招く恐れがあるため、職員の新陳代謝、定員の適正化及び行財政運営の効率化などにより、削減に努めていく。平成21年度から減少傾向にあったが、平成23年度は、学校給食費の公会計化などにより物件費が増加、平成24年度は、防災資機材や備蓄物品の充実などにより物件費が増加、平成25年度は、人件費の減少、市庁舎総合窓口化改修の完了に伴う備品購入費の減少などにより、前年度比3,314円の減となっている。平成26年度は、地域手当の引上げなどにより、7年ぶりに増となった。
平成18年度の給与構造改革の見直し以降、ラスパイレス指数は100.0を維持していたが、平成21年度は100.5と前年度比0.5ポイント減となったが、平成22年度は0.1ポイントの微増となっている。なお、平成23年度及び平成24年度については、東日本大震災への対処等を目的とした国家公務員の給与の臨時特例による期限付の大幅な給料削減により、ラスパイレス指数が一時的に大きく跳ね上がる形となっているが、それ以外の要素ではこれまでの傾向を踏襲している。平成25年度は国家公務員の給与削減が終了したため、平成22年度当時程度まで下がったが、経験年数区分間の異動等により0.2ポイントの増となった。さらに、平成26年度は給与制度の総合的見直しの実施を見送ったため、0.7ポイントの増となった。今後も、自主的かつ主体的な取り組みとして、給与制度の総合的な見直しの実施検討や諸手当等の総合的な見直しなど、より一層の給与適正化を図る。
類似団体の平均を0.26人下回り、全国市町村平均、神奈川県市町村平均も下回っている。これは、これまでの取り組みに引続き、平成23年度から計画期間開始となった「第三次定員適正化計画」に基づき、事務執行体制のスリム化や外部委託の推進、広域行政の推進等を適正に行っていることによるものである。今後は、新たな定員管理計画を策定し、適正な職員数の維持に努めていく一方で、再任用及び任期付職員の活用や人材育成の推進等にも配慮し、職員数削減による市民サービスの低下を招かないよう、適正な組織体制・人事配置を意識した効率的・効果的な定員管理を進めていくことが求められる。
最近5年間の傾向は、高金利で借り入れた政府資金等の償還完了や近年の借り入れ抑制などにより、減少傾向で推移している。なお、平成25年度の単年度数値は1.01%と前年度比0.53ポイントと大幅に増加している。これは、分子となる元利償還金や、準元利償還金のうち債務負担行為に基づく支出額(海老名市食の創造館の取得額)などの増加によるものである。今後とも、市民サービスの水準を維持するためは、従来よりも市債の活用が見込まれるが、中長期的な公債費の推計などにより、財政硬直化を招くことのないよう留意した行財政運用が求められている。
平成19年度から引き続き、基金や都市計画税を含めた充当可能財源等が将来負担額を上回ったことにより、比率は算定されていない。将来負担額のうち、地方債残高が低いのは、従前より起債の抑制を継続してきたことや民間資金の繰上償還を実施してきたことがあげられる。また、公営企業等繰入見込額が低いのは、下水道事業特別会計の経営状況が安定していることによる。しかしながら、充当可能財源等については年々減少傾向となっており、充当可能基金については、市債借入とのバランスに留意しつつ繰入を行っており、平成21年度以降減少していることから、注視が必要である。
人件費の比率については、平成26年度において、27.6%と前年度比で0.1ポイント減少している。また、全国平均を3.8ポイント、神奈川県平均を2.7ポイント、類似団体平均を3.2ポイント上回っており、高い水準にある。最近5年間の人件費については、大きな変動はなく、平成22年度から平成23年度は微増傾向であったが、平成24年度から3年連続で減少している。人件費は義務的経費であることから、その増加により、財政の硬直化を招く恐れがあるので、定員の適正化や行財政運営の効率化などにより、適正な水準を保つ必要がある。
物件費の比率については、平成26年度において、23.0%と前年度比で1.1ポイント上昇しており、全国平均を8.7ポイント、神奈川県平均を7.4ポイント、類似団体平均を7.3ポイント上回っている。物件費の比率が高い要因として、近年では予防接種事業などの衛生費に係る物件費の増加が顕著である。また、東日本大震災後では、防災資機材や備蓄物品の充実及び更新などにより増加している。今後、行政運営に係る物件費については、行政改革の推進や予算編成時においてシーリングを設けることなどにより縮減に努める必要がある。
扶助費の比率については、平成26年度において、13.1%と前年度比で0.3ポイント増加しており、全国平均を1.4ポイント、類似団体平均を0.4ポイント、神奈川県平均を3.5ポイント上回っている。少子高齢化の急激な進展及び社会経済情勢などにより、本市においても扶助費の増加が顕著となってきており、今後について推移を注視する必要がある。近年では、障がい者自立支援給付費などのサービス利用の増加が続いている。扶助費については、住民サービスの向上と財政の硬直性という相反する課題を有していることから、慎重な対応が必要である。
その他の比率については、平成26年度において、10.6%と前年度比で0.1ポイント上昇しているが、全国平均を2.6ポイント、神奈川県平均を0.5ポイント、類似団体平均を3.0ポイント下回っている。その他の比率が低い主な要因としては、特別会計への繰出金が少ないことが挙げられる。下水道事業は、公営企業の独立採算制の原則に基づき、繰出金の抑制に努めてきており、資本費平準化債の活用などにより、平成23年度から基準外繰出金が解消されている。なお、国民健康保険事業特別会計に対する法定外繰出金は依然として高額であることから、国保税収納率の向上に取り組む必要がある。
補助費等の比率については、平成26年度において、9.6%と前年度比で0.3ポイント増加しており、全国平均を0.5ポイント、類似団体平均を0.4ポイント、県内平均を1.3ポイント下回っている。補助費の経常経費一般充当財源については、引き続き行政改革を推進することにより、補助金の必要性、有効性、適格性、使途の適切さなどについて検討し、見直しを行い補助費の適正化を進めていく。
公債費の比率については、平成26年度において、11.0%と前年度比で0.2ポイント減少しており、全国平均を7.2ポイント、神奈川県平均を6.8ポイント、類似団体平均を4.2ポイント下回っている。全国平均などを下回っている主な要因としては、大幅な市税の増収が見込めない中、市債と基金繰入のバランスに留意した上で市債発行を行うことにより、世代間負担の公平性に立脚した市債活用に努めてきたことなどによる。
公債費以外の比率については、平成26年度において、83.9%と前年度比で1.7ポイント増加しており、全国平均を10.8ポイント、神奈川県平均を4.8ポイント、類似団体平均を7.5ポイント上回っている。近年、公債費以外の比率が上昇していた要因としては、扶助費の増加などによる経常経費の増加及び景気低迷などによる経常一般財源の減少が挙げられる。また、本市は、平成18年度から平成23年度まで、臨時財政対策債の発行をしていないことから、景気低迷による経常一般財源の減少が大きく比率に反映されている。平成24年度以降は臨時財政対策債を発行していることなどから、減少している。