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景気低迷に伴い平成21年度から2年連続して低下している状況となっているが、1.16と類似団体平均を上回っている。また、単年度での財政力指数をみると、平成18年度1.22、平成19年度1.25、平成20年度1.26と順調に伸びを示してきたが、平成21年度は基準財政収入額の減少により、1.19となり、さらに平成22年度は基準財政需要額の増加及び基準財政収入額の減少により、1.02となった。今後も景気低迷により市税収入の増加が見込まれないと、財源超過額が圧縮され、単年度の財政力指数がさらに悪化することが予想されることから、税源涵養施策の推進及び徴収業務の強化など歳入確保に努める。
市税の大幅な減少が続いているが、臨時財政対策債を平成18年度以降発行していないこともあり、平成22年度は、類似団体平均より高水準となった。経常経費の徹底した抑制により、経常経費充当一般財源等は、減少に転じたが、大幅な税収減により、経常一般財源等が大幅に減少したことにより、前年度に比べ1.9ポイント悪化し、92.7%となった。今後も引き続き、行政改革を推進することにより、経常経費の抑制に努めるが、社会保障関係経費の自然増等や制度改正が見込まれるため、その動向を注視する必要がある。また、大幅な税収増が見込まれないが、収納環境整備や徴収業務の強化を進めるなど着実な歳入確保に努める。
類似団体平均と比較して、人件費・物件費等決算額が下回っているのは、人事院勧告に基づく給与構造改革や定員管理による職員数の適正化などにより人件費の抑制に努めていること、またごみ処理業務を一部事務組合で行い資源収集業務の多くを委託で行っていること、施設管理に指定管理者制度を導入していることなどにより各経費の削減に努めたためである。人件費は義務的経費であることから、その動向により、財政の硬直化を招く恐れがあるため、今後とも、職員の新陳代謝、定員の適正化及び行財政運営の効率化などにより、人件費の削減に努めていく。
平成18年度の給与構造改革の見直し以降、ラスパイレス指数は100.0を維持していたが、平成20年度には採用・退職による減ポイント以上に経験年数区分間の異動によるポイント増が上回ったため、1.0ポイントの増となり、平成21年度は0.5ポイント減となったが、平成22年度は0.1ポイントの微増となっている。今後も諸手当等の総合的な見直しなど、より一層の給与適正化を図る。
類似団体の平均を0.29人下回り、全国市町村平均、神奈川県市町村平均も下回っている。これは外部人材の活用等による効果的な事務執行の推進や退職者の不補充により推進期間内における職員数の5%減を目標とした「第二次定員適正化計画」による職員削減を適切に行ってきたことによるものである。今後については、平成23年度から計画期間開始となる新たな「第三次定員適正化計画」を推進し、引き続き職員数の抑制に努めていく一方で、職員数削減による市民サービスの低下を招かないよう、適正な組織体制・人事配置を意識した効率的・効果的な定員管理を進めていくことが求められる。
最近5年間の傾向は、高金利で借り入れた政府資金等の償還完了や近年の借り入れ抑制などにより、減少傾向で推移していたが、平成20年度は平成16年度に借り入れた臨時財政対策債及び減税補てん債の元金償還の開始などにより、前年度に比べ103,102千円、3.9%の増加となった。今後は景気悪化に伴い、一般財源の減少が見込まれる中でも、市民サービスの水準を維持するためには、従来よりも市債の活用が見込まれるが、中長期的な公債費の推計などにより、財政硬直化を招くことのないよう留意した行財政運用が求められている。
平成19年度から引き続き、基金や都市計画税を含めた充当可能財源等が将来負担額を上回ったことにより、比率は算定されていない。将来負担額のうち、地方債残高が低いのは、従前より起債の抑制を継続してきたことや民間資金の繰上償還を実施してきたことがあげられる。また、公営企業等繰入見込額が低いのは、下水道事業特別会計の経営状況が安定していることによる。その他として、土地開発公社を平成18年度から休眠状態としているなど将来債務の軽減に努めている。
人件費の比率については、平成22年度において、30.3%と前年度比で0.3ポイント上昇しており、全国平均、神奈川県平均及び類似団体平均と比べて高い水準にある。しかし、人事院勧告に基づく給与構造改革、定員管理による職員数の適正化などにより、人件費については、平成18年度から平成23年度まで毎年減額が続いている。今後とも、職員の新陳代謝、定員の適正化及び行財政運営の効率化などにより、人件費の削減に努めていく。
物件費の比率については、平成22年度において、19.6%と前年度比で0.5ポイント上昇しており、全国平均を6.8ポイント、神奈川県平均を4.9ポイント、類似団体平均を3.5ポイント上回っている。物件費の比率が高い要因として、近年では予防接種事業などの衛生費に係る物件費の増加が顕著である。物件費全体としては、平成20年度以降は微減の状況となっており、今後は、行政運営に係る物件費について、行政改革を推進することにより縮減に努める。
扶助費の比率については、平成22年度において、11.5%と前年度比で1.7ポイント上昇しており、全国平均を1.1ポイント上回っているが、神奈川県平均を2.6ポイント、類似団体平均を0.1ポイント下回っている。少子高齢化の急激な進展及び長引く景気の低迷の影響により、本市においても扶助費の増加が顕著となってきている。特に平成22年度は子ども手当の創設、生活保護費の大幅に増加などがあり、今後について推移を注視する必要がある。また、小児医療費助成の対象年齢等の拡大を行ってきたことから、大幅に増額している。扶助費については、住民サービスの向上と財政の硬直性という相反する課題を有していることから、慎重な対応が必要である。
その他の比率については、平成22年度において、9.1%と前年度比で0.7ポイント減少しており、全国平均を2.7ポイント、神奈川県平均を1.0ポイント、類似団体平均を3.1ポイント下回っている。その他の比率が低い主な要因としては、特別会計への繰出金が少ないことが挙げられる。公営企業である下水道事業特別会計については、経営状況が安定していることもあり、年々減少している。一方、国民健康保険事業特別会計に対する繰出金は依然として高額であるため、国民健康保険税の収納対策強化などにより収入を増額することで繰出金の減額を図っていく。
補助費等の比率については、平成22年度において、10.8%と前年度比で0.3ポイント上昇しており、全国平均を0.7ポイント、類似団体平均を2.1ポイント上回っているが、県内平均より、0.5ポイント下回っている。補助費の経常経費一般充当財源については、逓増が続いている状況であるため、「海老名市第5次行政改革大綱」に基づき、補助金の必要性、有効性、適格性、使途の適切さなどについて検討し、見直しを行うことにより、補助費の適正化を進めていく。
公債費の比率については、平成22年度において、11.4%と前年度比で0.2ポイント減少しており、全国平均、神奈川県平均及び類似団体平均を大きく下回っている。その大きな要因としては、市税が減少している中、市債と基金のそれぞれのバランスに留意した上で市債発行を行うことで、安易に市債発行を行うことで将来世代へ負担を先延ばしにするのではなく、世代間負担の公平性に立脚した市債活用に努めてきたことなどによる。
公債費以外の比率については、平成22年度において、81.3%と前年度比で2.1ポイント上昇しており、全国平均を11.1ポイント、神奈川県平均及び類似団体平均を5.1ポイント上回っている。公債費以外の比率が上昇している要因としては、扶助費の増加などによる経常経費の増加及び景気低迷による経常一般財源の減少が挙げられる。また、本市は、「赤字地方債からの脱却」という財政運営の方針に基づき、平成18年度以降、臨時財政対策債の発行をしておらず、景気低迷による経常一般財源の減少が大きく比率に反映されている。今後は、税源涵養施策の推進や徴収業務の強化により、財源の確保に努めていく。
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