経営の健全性・効率性について
各指標における平成28年度の数値を見ると・・・⑤経費回収率【94.42%】一般家庭等から排出された汚水の処理に掛かった費用が、どの程度下水道使用料で賄えているかを表した指標です。この値が100%以下の場合は、赤字経営の状態を示します。また、①収益的収支比率についても同様で単年度の収支の状態を表した指標です。なお、財源の不足分については、一般会計からの補てん財源により賄っています。⑥汚水処理原価【137.58円】1立方メートルあたりの汚水処理に掛かった費用を表しています。平成28年度は1立方メートルあたりの汚水に対し、129.91円の下水道使用料収入がありました。したがって、1立方メートルあたりの汚水処理に対して、7.67円財源が不足していることになります。⑧水洗化率【99.43%】この指標がほぼ100%ということは、市内のほぼ全世帯の家庭から排出された汚水が公共下水道により処理されていることを表します。汚水処理原価は、平成27年度に引き続き、類似団体や全国平均との比較でも良い値を示しています。しかし、未だ経費回収率が100%に達していないことから、本来下水道使用料で回収すべき経費を、全て使用料で賄えていない状況が確認できます。
老朽化の状況について
本市の公共下水道は昭和51年度から整備事業に着手し、普及率はほぼ100%に近い数値となっています。一方で、管渠全体のうち30年を経過しているものが48%(平成28年度末現在)となっています。こうした中、平成25年度には、市内で老朽化が最も進んでいると想定される処理分区及び路線についてTVカメラ調査等を行い、その結果に基づき平成27年度には、下水道管路について約0.33キロメートルの更生工事を、また、マンホール蓋については、55箇所の更新工事を行いました。また、老朽化した下水道施設の更新時期が集中的に到来し、事業費の増大が見込まれることから、これら下水道施設を計画的に維持管理し、更新に係る事業費を平準化するため、平成28年度に「清瀬市下水道ストックマネジメント計画」を策定しました。
全体総括
少子高齢化や節水型社会への変化などの要因により、下水道使用料収入の減収が予想され、下水道財政は年々厳しい状況となることが見込まれます。こうした状況の中、持続的に安定した下水道サービスを提供し健全で効率的な事業運営を行なうため、水洗化率を100%に近づけ下水道使用料収入の更なる確保に努めるとともに、ストックマネジメント計画に基づき老朽化した施設の更新を実施します。また、安定的な事業運営を図るため、中長期的な基本計画である「下水道事業経営戦略」の策定も進めていきます。