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市民の所得水準が高く、安定した財政基盤が保たれている。また、市域が狭く行政効率が高いことに加えて、生活保護費をはじめとした扶助費、地方債の償還にあたる公債費等が類似団体平均を大きく下回っているため、例年、安定して高い指数で推移している。
比較的老年人口が少ないため扶助費が類似団体平均を下回り、同様に、事業の選択と集中を進めていることにより公債費が類似団体平均を大きく下回っていた。しかし、近年は業務の民間委託化等による物件費の増や、急速な高齢化、子育て支援策の拡大などによる扶助費の増により、指数は年々上がる傾向にある。平成27年度においては、地方消費税交付金の増加や、公債費の減少などを背景として、前年度比で1.1ポイント指数が改善されたものの、類似団体平均を上回る指数が続いていることから、引き続き事務事業の見直しを実施し、経常経費の削減に努める。
事業の民間委託化に伴う職員人件費等から委託料(物件費)へのシフトを背景として、人件費が類似団体の平均を下回るのに対し、物件費が類似団体平均を上回っており、また、指数全体としては類似団体平均をやや上回っている状況にある。平成27年度においては職員の給与改定により、人件費が増加し、ここ数年の類似団体平均を上回る状況を変えるには至っていないが、今後も、適正な定員管理を進めるだけでなく、指定管理者制度、PFI等、民間活力の導入の推進や、既存事業の更なる見直しによりコスト削減を図る。
指数が類似団体平均と比較して高い数値で推移している主な要因として、「給与制度の総合的見直し」の実施時期の相違や高齢層職員の給料月額の影響が考えられる。この現状を踏まえ、平成28年度からさいたま市人事委員会勧告に基づく「給与制度の総合的見直し」を実施し、給料表水準の引下げと世代間の給与配分の適正化に取り組んでいる。今後も、国家公務員の給与制度との均衡を図りつつ、引き続き給与の縮減に努める。
政令指定都市移行に伴う区役所開設や埼玉県からの移譲事務などの行政需要の増大に対して、総職員定数を増やすことなく削減に努めてきた結果、類似団体平均を下回る職員数となっている。平成26年度から平成28年度までの期間について策定した定員管理計画に基づき、平成28年度までに、平成25年度比で111人(1.6%)の削減を目指す。
地方債の残高が低水準である上に、合併特例債などの財政措置の有利な地方債の割合が高いため、類似団体平均と比較して良好な指数となっている。例年、安定して良好な指数で推移しているが、今後のインフラ整備や施設の高齢化を見据え、普通建設事業の平準化を図りながら、今後も有利な地方債を活用し、現在の水準の維持に努める。
前年度と比較し、指標が下がった理由として、退職手当負担見込額や公営企業等の地方債残高に対する繰出予定額が減少したこと等が挙げられる。プライマリーバランスの均衡に配慮した地方債の発行に努めてきたこと等により、例年、良好な指数で推移しているため、今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、財政の健全化に努める。
類似団体平均と比較して、経常収支比率はやや高い水準となっているものの、人口1人当たり決算額は低い水準となっている。一方、平成27年度に見られる指数の悪化は、給与改定に伴う人件費の増額によるものである。今後も定員管理計画に基づき、平成28年度までに、平成25年度比で111人(1.6%)の削減を目指す。あわせて、時間外勤務の縮減に向けた取組みを継続的に実施し、人件費の削減に努める。
人件費の抑制及び事務の効率化のため、業務の民間委託化や文書事務等の電算化を推進しているため、委託料、賃借料等が類似団体平均と比較して高い水準で推移している。今後は、指定管理者制度、PFI等、民間活力の導入を一層推進するとともに、既存事業の更なる見直しによりコスト削減を図る。
比較的老年人口が少なく(平成27年国勢調査における65歳以上人口全国:26.6%、さいたま市:22.8%)、現役世代が多いため、扶助費は類似団体平均と比較して低い水準となっている。しかしながら、少子高齢化の影響で増加傾向にあることから、あらゆる事業について、将来負担を見据えた見直しを行うとともに、事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底することで、健全財政の維持に努め、今後の負担の増大に備える。
比較的老年人口が少ない(平成27年国勢調査における65歳以上人口全国:26.6%、さいたま市:22.8%)ため、後期高齢者医療事業会計や介護保険事業会計への繰出金は、比較的少ない状況にある。しかしながら、少子高齢化を背景に繰出金が年々増加することで、指標の悪化が進んでいる。今後も繰出金の増加傾向は変わらないと見込まれることから、健全財政の維持に努め、今後の負担の増大に備える。
他政令指定都市のような大規模な法適用公営企業会計(電車、バス等の交通事業など)を有しておらず、公営企業に対する繰出金が比較的少額であるため、補助費等が類似団体平均と比較して低い状況が続いている。今後も各種補助金等について、その目的や役割、成果等の観点から更なる見直しを図る。
市民ニーズに対応した事業の選択と集中を進め、普通建設事業費の平準化を図ってきたことで、市債残高が類似団体中で低い水準にとどまっていることを背景に、公債費については、依然として類似団体の中でも少ない水準にある。今後も、後年度の公債費負担を踏まえた事業展開を進める。
他市に比べ、決算額に占める公債費の割合が小さいことから、公債費以外の経費が相対的に大きくなっている。また、少子高齢化の影響による扶助費の増加などを背景に、経常的な経費が増加している。類似団体平均を上回る結果となっているため、既存事業の見直し等によりコスト削減を図る。
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