経営の健全性・効率性について
①料金収入や一般会計からの繰入金等の総収益で、総費用に地方償還金を加えた費用をどの程度賄えているかを表す指標である収益的収支比率について、平成24年から3年間は96~100%を推移しており、赤字ではあるが赤字幅は極めて小さい。平成27年からは職員増のため91%と赤字になっている。今後、職員数の適正化に努める。④料金収入に対する企業債残高の割合であり、企業債残高の規模を表す企業債残高対事業規模比率は、当該値が29.49となっている。これは一般会計からの繰入金によるものである。⑤使用料で回収すべき経費を、どの程度使用料で賄えているかを表す経費回収率は、近年低下傾向にあるが平成23年からの5年間は90%~100%であり、ほとんどを使用料金収入で賄えている状況になる。類似団体と比較しても20ポイント以上良い。⑥有収水量1㎥あたりの汚水処理に要した費用であり、汚水資本費・汚水維持管理費の両方を含めた汚水処理に係るコストを表した汚水処理原価が類似団体より高くなっているのは、浄化槽設置基数が増えてことによる経費の増、また人口減少による有収水量の減が理由と考えられる。⑦施設・設備が一日に対応可能な処理能力に対する、一日平均処理水量の割合であり、施設の利用状況や適正規模を判断する施設利用率は、平成24年からの5年間で全て50%を割り込んでいる。これは各世帯の居住人員が少ないため、最も小さい浄化槽である5人槽でも能力を余しているためであり、類似団体と比較では悪い。⑧現在処理区域人口のうち、実際に水洗便所を設置している人口の割合を表した水洗化率について100%を維持している。類似団体との比較では良い。
老朽化の状況について
浄化槽の耐用年数は概ね30年と言われている。東吾妻町では平成9年より、事業を実施しているため、一番古い浄化槽は使用開始から20年が経過している。現在は、広報を活用し、浄化槽を少しでも長く使ってもらえるよう適正な使用の啓発を行なっている。今後は浄化槽の修理や入替等の検討も必要となるため、基金積立を実施することで、将来の浄化槽補修・更新について対応していく。
全体総括
浄化槽市町村整備事業は、当初から定額料金制を採用したため、ほとんどの経費を料金収入で賄えている。事務のさらなる効率化を進め、安定した事業経営が可能である。既存の浄化槽についても、極力長期間使用できるように浄化槽教室を開催し、使用者の意識向上を図っている。ただし、将来的な浄化槽の補修・更新については、人口減少など社会的要因を踏まえた上で、町として基金を積立てながら対応を検討していく。