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山口県下松市:簡易水道事業の経営状況(2023年度)

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経営比較分析表(2023年度)

経常収支比率

累積欠損金比率

流動比率

企業債残高対給水収益比率

料金回収率

給水原価

施設利用率

有収率

経営の健全性・効率性について

下松市簡易水道事業は市街地より北部にある中山間地域の米川地区に給水を行っている。給水区域内は給水人口の増加や開発も望めないため、当初より採算性に乏しく厳しい経営環境で、一般会計補助金により経営が成立している状況である。①経常収支比率は実不足額を一般会計の補助金で賄っているため100%を維持し、欠損金はない(②累積欠損金比率)③流動比率は、企業債の償還及び年度末の未払金計上額の増加のため悪化している。④企業債残高対給水収益比率の数値が高い理由は、平成24年3月に策定した「下松市簡易水道事業中期経営計画」に基づき、企業債を借り入れ老朽管の更新事業を行ったためである。今後比率は改善していく見込みであるが、給水収益の減少により改善率が鈍化していくものと見込まれる。⑤料金回収率が類似団体より低いのは、元々給水人口が少ない上に、水道事業と同じ料金設定をしているため給水に係る費用が給水収益で賄えていないからである。⑥給水原価は、維持管理費の増加と給水人口の減少に伴う総有収水量の減少により、類似団体と比較して高くなっている。⑦施設利用率は、横ばいで推移しているが、給水人口の減少により今後逓減していくと見込まれる。⑧有収率は過去、類似団体を下回っていたが、老朽管の更新事業により改善傾向にある。

有形固定資産減価償却率

管路経年化率

管路更新率

老朽化の状況について

類似団体と比較すると②管路経年化率はかなり良い。下松市簡易水道事業の浄水場や送配水管などの主要施設はほとんどが昭和54年度に建設されたもので、老朽化が目立ち特に送配水管の経年劣化による漏水件数の増加と有収率の低下が顕著であった。これを踏まえ平成24年3月に「下松市簡易水道事業中期経営計画」を策定し、平成24年度から平成26年度の3箇年で配水管の全面更新を行った。当面の間は、②管路経年化率は0%で推移する。③管路更新率も0%で推移し、①有形固定資産減価償却率は逓増していくと見込まれる。

全体総括

平成24年度から平成26年度の3箇年で配水管の全面更新を行い有収率の向上につなげたものの、下松市簡易水道事業は厳しい経営環境下にあり、一般会計からの補助金により成立している状況である。独立採算制の原則から料金改定が望ましいが、市内での料金格差を是正する観点から政策的判断のもと水道事業と同一料金体系を採用している。そのため、簡易水道事業単独での料金改定は困難であり、今後も収支不足額について一般会計から継続して繰入を行う必要がある。令和7年3月に改定予定である「下松市簡易水道事業経営戦略」を基に、今後も経営基盤の強化に努めていく。

出典: 経営比較分析表,

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