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地方財政ダッシュボード

愛知県江南市の財政状況(2016年度)

🏠江南市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

類似団体と同様に前年度から横ばいの推移となり、類似団体内での順位は、93団体中、30位となっている。平成28年度においても、第七次行政改革大綱「第二次経営改革プラン」の目標である「質と量の改革による市民満足度の高い行政経営の実現」に向けて、経営改革を進めた。重点取組事項のひとつである「持続可能な財政基盤の確立」のため、今後も歳出削減に努めるとともに、新たな自主財源の確保や、収納率の向上を図り、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

地方消費税交付金の減少による経常一般財源等の減少や、公債費及び扶助費等の増加により、前年度と比較して4.4ポイント悪化し、類似団体内での順位は、93団体中、18位となっている。今後も少子高齢化に伴う社会保障経費等の増加が見込まれるため、限られた財源を有効活用し、事業の優先度を見極めつつ、経常経費の削減に努めるとともに、新たな自主財源の確保や、収納率の向上を図り、経常収入の増加に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

退職手当の増加や情報セキュリティ強化に伴うシステム構築に係る経費等の増加のため、人件費・物件費ともに増加となったが、電気使用料等の需用費の減少により前年度と比較して人口1人当たり536円増加し、類似団体内での順位は93団体中、3位となっている。引き続き、行政評価の活用や行政改革の推進により、事務事業の抜本的な見直しを図り、人件費・物件費等の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度と比較して0.5ポイント減少し、全国市平均と同じ99.1になった。なお、類似団体内での順位は、93団体中、56位となっている。職務・職責に応じた給与構造への転換、能力・実績に基づく給与制度を導入するなど、給与の適正化を図ってきたが、今後も、類似団体や、近隣市などの平均給与の状況を踏まえながら、給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たりの職員数は5.89人で、類似団体内での順位は、93団体中、16位となっており、全国平均の7.90、愛知県平均の7.94を大きく下回っている。平成17年度からの5年間にわたり実行してきた集中改革プランにより、職員数を14.6%(110人)減員したが、今後も、市民サービスを低下させることなく、求められる多様な行政需要に対応しながら、更なる事務事業の見直しを進めるとともに、事務の効率化の促進を図り、より適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

学校教育施設等整備事業債の償還開始に伴い元利償還金が増加したこと等により、前年度と比較して、0.1ポイント悪化し、類似団体内での順位は、93団体中、24位となっている。今後、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などにより多額の地方債発行が見込まれるため、金利の状況を把握した上で、銀行等引受債の借入条件の見直しや、交付税算入のある地方債を有効に活用しながら、健全な財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

平成28年度の新規発行地方債の額が例年と比較し少額であったことから、前年度と比較して5.8ポイント改善し、類似団体内での順位は、93団体中、38位となっている。今後、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などにより多額の地方債発行が見込まれるため、交付税算入のある地方債を有効に活用しながら、将来負担が過度に上昇しないよう、計画的な財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は22.4%で、類似団体内での順位は、93団体中、39位となっており、全国平均の23.7%、愛知県平均の22.6%を下回っている。今後も、組織構造の見直しや柔軟な人員配置などにより、定員管理の適正化に努めるとともに、地方公務員法に定められている情勢適応の原則、均衡の原則を踏まえながら、給与の適正化を図り、人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、固定資産評価に係る委託料の増加や指導用教科書の整備等により、0.6ポイント増加し、類似団体内での順位は93団体中、52位となっている。経常収支比率に占める物件費の割合が増加傾向にあるため、経常経費の削減に努めるだけでなく、新たな自主財源の確保や収納率の向上を図り、歳入歳出の両面において改善に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、医療扶助費や障害者の訓練等給付事業費等が増加したことで、前年度と比較して1.1ポイント増加し13.4%となり、類似団体内での順位は、93団体中、86位となっている。類似団体平均より高い傾向が続いているが、社会保障経費に係る市の負担分は高齢者人口の増加による自然増や、福祉施設の増加等により、更なる負担増が見込まれるため、適正な福祉サービスを維持しながら、法定外の単独事業の見直しを図るなど、扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、後期高齢者医療特別会計への繰出金の増加等により、前年度より0.4ポイント増加し、類似団体内での順位は、93団体中、60位となっている。今後も高齢者人口の増加に伴い、介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金の増加が見込まれるため、法定基準外の繰出金の抑制に努める。また、公共施設の更新等に備え、計画的に公共施設整備事業基金へ積み立てていくことができるよう、健全な財政運営に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、一部事務組合への負担金の増加等により、前年度と比較して0.1ポイント増加し、類似団体内での順位は、93団体中、23位となっている。引き続き負担金や補助金の本来の目的や効果等を検証し、その必要性や妥当性を見極めながら、補助費等の削減に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、市債償還元金の増加により、前年度と比較して1.1ポイント増加し13.3%となり、類似団体内での順位は、93団体中、28位となっている。今後、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などにより多額の地方債発行が見込まれるため、地方債の発行基準を考慮しながら公債費の抑制を図り、健全な財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は74.9%で、前年度と比較して3.3ポイント増加し、類似団体内での順位は、93団体中、49位となっている。少子高齢化による社会保障経費や施設の更新に係る経費の増加傾向が続くと見込まれ、中長期的な視点に立った財政運営がより一層求められる。今後は「持続可能な財政基盤の確立」のため、歳出削減に努めるとともに、新たな自主財源の確保や収納率の向上を図り、健全な財政運営に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

多くの項目において、類似団体内平均値と比較して低い水準にあるが、特に教育費については、類似団体内順位が93団体中93位となっている。教育費については、平成28年度、新体育館の建設を開始したが、小学校校舎の施設改造工事費が減少したこと等により減少した。民生費は住民一人当たり120,145円となっており、少子高齢化に伴う社会保障経費の増加だけでなく、子どもを持つ世帯の負担軽減のための子ども医療費助成の拡大や、学童保育所の整備等を実施したことにより、年々増加傾向にある。なお、労働費は住民一人当たり1,691円となっており、唯一、類似団体内平均値を上回っているが、この主な要因は、すいとぴあ江南の管理運営に係る指定管理料によるものである。今後も、少子高齢化への対応に伴う民生費の増が続くことが見込まれるため、今まで以上に無駄をなくしつつ、事業の「選択と集中」を図り、効率的かつ効果的な事業の実施に努めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

全ての項目において、類似団体内平均値と比較して低い水準にあるが、その中でも物件費及び扶助費は近年増加傾向にある。物件費については、育休代替職員対応や繁忙期対応のための臨時職員の増加による賃金の増加及びセキュリティ強化や制度改正に伴うシステム改修等による委託料の増加により増加傾向となっている。扶助費については、社会保障経費の増加により増加傾向となっているが、平成28年度は子ども医療費助成の対象の拡大及び臨時福祉給付金等の給付により増加率が大きくなった。今後も、社会保障経費の増加による扶助費の増加や、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などによる普通建設事業費の増加が見込まれるため、今まで以上に無駄をなくしつつ、事業の「選択と集中」を図り、効率的かつ効果的な事業の実施に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

財政調整基金残高は、平成28年度末時点において2,739,920千円、標準財政規模の15.39%となっており、前年度と比較して0.15ポイントの減少となっている。実質収支額の標準財政規模比は黒字で推移しているが、平成28年度は新体育館建設事業等により多額の経費を要したことから、財政調整基金の取崩額が増加し、実質単年度収支の標準財政規模比は、5.26ポイントの減少となった。今後は、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業をはじめ、公共施設の更新、老朽化対策に多額の財政負担が生じることから、国や県の補助金等を最大限活用しながら健全な財政運営に努めるとともに、実質単年度収支が黒字となるよう、長期的な視野に立った計画的な財政運営を行うため、有効に財政調整基金を活用していく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

すべての会計が継続的に黒字で推移しており、特に水道事業会計は、標準財政規模比で7%超となっている。一般会計は前年度と比較して1.14ポイント減少し、4.76%となった。なお、標準財政規模が前年度よりも32,446千円減少したことにより、国民健康保険特別会計は0.1ポイント増加し、3.48%となり、介護保険特別会計は1.28ポイント増加して1.82%、後期高齢者医療特別会計は0.02ポイント増加し、0.04%となった。今後も、更なる高齢者人口の増加に伴い、社会保障経費の増加が見込まれ、一般会計から介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金が増加することが予想される。また、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業等、投資的経費も増加することが予想されるため、引き続き歳入確保、歳出削減を徹底することにより、更なる黒字額の確保に努める。特別会計においては、一般会計からの繰入金に依存せず、保険税や保険料などの更なる徴収率の向上を図るなど歳入の確保に努め、赤字にならないよう健全な財政運営に努める。また、水道事業会計は、基幹管路の更新により多額の経費がかかることから、引き続き黒字額が確保できるよう健全性を確保していく。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

臨時財政対策債算入分が増加したことにより、算入公債費等が前年度と比較し47百万円増加したが、平成26年度に借入した学校教育施設等整備事業債等の償還開始に伴い、元利償還金が前年度と比較し1億2,400万円増加したこと等により、実質公債費比率の分子が、前年度と比較し58百万円増加した。今後は鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などの大型事業が予定されており、多額の地方債発行に伴う元利償還金及び実質公債費比率の増加が見込まれるため、今後も交付税算入のある地方債を有効に活用しながら、健全な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高は、ゆるやかに増加してきたが、平成28年度は、新規発行地方債の額が例年と比較し少額であったことから5億7,600万円減少した。今後は鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などの大型事業が予定されているため、多額の地方債発行が見込まれるが、交付税算入のある地方債を有効に活用しながら、将来負担が過度に上昇しないよう、計画的な財政運営に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は67.7%で、類似団体内での順位は、28団体中、1位となっており、全国平均の57.8%、愛知県平均の63.3%を上回っている。これは、本市が所有する公共施設が昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備されており、建築後30年以上経過したものが全体の8割近くを占めていることが要因となっている。平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画では、公共施設等の更新費用不足額の約447億円(総延床面積の14%相当)を縮減する目標を掲げており、その目標に向け、施設保有量の適正化、施設の長寿命化、施設更新の優先順位付けなどの方針を定めた個別施設計画を随時策定し、計画に基づいた取り組みを進めることにより改善を図っていく。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体と比較し、将来負担比率が低く、有形固定資産減価償却率が高くなっているが、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などの大型事業の実施に伴い、その財源として多額の地方債発行が見込まれることから、今後、将来負担比率の上昇が見込まれる。また、有形固定資産減価償却率については、平成30年度完成予定の新体育館の竣工、及び平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において、老朽化した施設の集約化・複合化、除却を進めていく方向性を定めており、施設の更新等により有形固定資産減価償却率の上昇を抑制していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して低くなっているが、今後、鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などにより多額の地方債発行が見込まれるため、交付税算入のある地方債を有効に活用しながら、将来負担比率、実質公債費比率が過度に上昇しないよう、計画的な財政運営に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が、類似団体平均と比較して、特に高くなっている施設は、道路、橋りょう・トンネル、認定こども園・幼稚園・保育所であり、特に低くなっている施設は、公営住宅である。認定こども園・幼稚園・保育所については、全ての施設が法定耐用年数である47年に迫っているため有形固定資産減価償却率は高い値となっており、統廃合や老朽化した他施設の改修時等に複合化するなど老朽化対策に取り組んでいくこととしている。公営住宅については、平成以降に建築された施設が多く、比較的新しいため、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低くなっている。一人当たり面積は、認定こども園・幼稚園・保育所のみ類似団体平均並みであるものの、他の施設はいずれも類似団体平均を下回っており、低い水準となっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、庁舎、消防施設が類似団体平均並みであるものの、他の施設はいずれも類似団体平均より高く、体育館・プールが特に高くなっている。体育館・プールについては、平成28年度に市民プールを解体し、また平成30年度に新体育館の開館を予定しており、老朽化対策に取り組んでいる。図書館については、利用状況や市民ニーズを踏まえ今後のあり方を検討し、新図書館建設に係る基本計画を平成30年度に策定することとしている。一人当たり面積は、いずれの施設も類似団体平均を下回っており、低い水準となっている。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、前年度末と比べて資産合計は1,392百万円減少(-1.5%)、負債合計は996百万円減少(-3.4%)し、結果として純資産合計は396百万円の減少(-0.6%)となった。また、資産総額のうち43.8%を占める有形固定資産の減価償却率は67.7%(前年度末比+1.7%)となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は25,508百万円となり、前年度比38百万円の減少(-0.1%)となった。また、業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(8,417百万円、前年度比208百万円の増加(+2.5%))であり、純行政コストの34.3%を占めている。そのうちの物件費については、育休代替職員対応や繁忙期対応のための臨時職員の増加による賃金の増加及びセキュリティ強化や制度改正に伴うシステム改修等による委託料の増加により増加傾向となっている。今後は行政評価の活用や行政改革の推進により、事務事業の抜本的な見直しを図り、物件費等の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、税収等の財源(24,065百万円)が純行政コスト(24,552百万円)を下回っており、本年度差額は△397百万円となり、純資産残高は397百万円の減少(-0.7%)となった。施設保有量の適正化、施設の長寿命化、施設更新の優先順位付けなどの方針を定めた個別施設計画を随時策定し、計画に基づいた効率的な施設の維持管理による純行政コストの縮減に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は1,167百万円であったが、投資活動収支については、布袋駅東地区交通結節点整備事業による整備用地取得、補償や道路改良工事等及び学童保育所整備事業による建設工事を行ったことから、△710百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△654百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から196百万円減少(-17.6%)し、916百万円となった。しかし、地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体を大きく下回っており、有形固定資産減価償却率については類似団体より高い水準にある。これは当市には昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備された資産が多く、整備から30年以上経過したものが全体の8割近くを占めており多くが更新時期を迎えているためである。また、これらの公共施設等の老朽化に伴い、住民一人当たりの資産額は前年度より1.4万円減少(-1.6%)し、有形固定資産減価償却率は前年度より1.7%上昇している。平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画では、公共施設等の更新費用不足額の約447億円(総延床面積の14%相当)を縮減する目標を掲げており、その目標に向け、施設保有量の適正化、施設の長寿命化、施設更新の優先順位付けなどの方針を定めた個別施設計画を随時策定し、計画に基づいた取り組みを進めることにより改善を図る。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率、将来世代負担比率ともに類似団体と比較して低くなっているが、今後は鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などの資産取得に伴う多額の地方債発行が見込まれるため、交付税算入のある地方債を有効に活用しながら、将来世代負担比率が過度に上昇しないよう、計画的な財政運営に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っており、昨年度に比べて0.1万円増加(+0.4%)している。業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(8,417百万円、前年度比208百万円の増加(+2.5%))であり、純行政コストの34.3%を占めている。そのうちの物件費については、育休代替職員対応や繁忙期対応のための臨時職員の増加による賃金の増加及びセキュリティ強化や制度改正に伴うシステム改修等による委託料の増加により増加傾向となっている。今後は行政評価の活用や行政改革の推進により、事務事業の抜本的な見直しを図り、物件費等の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均を下回っている。一般会計等に係る地方債の現在高は、ゆるやかに増加してきたが、平成28年度は、新規発行地方債の額が例年と比較し少額であったことから576百万円減少(-2.4%)した。今後は鉄道高架化整備事業や新体育館建設事業などの大型事業が予定されているため、多額の地方債発行が見込まれるが、地方債の発行基準を考慮しながら公債費の抑制を図り、地方債残高が過度に増加しないよう、健全な財政運営に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、経常収益が昨年度から26百万円減少(-2.5%)している。平成29年度から公共施設等の使用料の見直しを行う予定であり、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,