新潟県田上町：特定環境保全公共下水道の経営状況（2023年度）

収益的収支比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022	2023
当該団体値（％）	69.4	46.88	50.61	70.65	72.99	73.86	78.06	80.05	83.22	84.57	91.76	93.02	96.94	100.0
類似団体内平均値（％）	72.16	74.64	75.88	73.5	75.8	75.7	77.85	83.01	84.8	83.99	80.45	83.93	81.68	88.65

企業債残高対事業規模比率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022	2023
当該団体値（％）	978.4	938.42	903.82	766.45	846.5	874.05	842.41	710.05	679.17	684.32	776.04	711.7	618.4	593.65
類似団体内平均値（％）	1836.16	1735.4	1535.7	1407.49	1159.15	1137.93	942.82	921.09	811.37	819.96	493.3	645.89	438.95	451.97

経費回収率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022	2023
当該団体値（％）	96.47	92.12	99.2	87.02	82.58	88.11	95.76	99.43	91.06	99.86	82.71	68.46	78.53	88.25
類似団体内平均値（％）	57.78	57.69	57.88	59.2	60.89	60.85	64.35	78.39	76.78	74.61	69.28	67.02	66.91	70.34

汚水処理原価

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022	2023
当該団体値（円）	212.03	222.83	208.2	237.69	255.53	240.87	221.63	213.45	234.86	214.61	254.31	307.82	272.75	226.75
類似団体内平均値（円）	265.33	269.22	268.84	265.13	266.59	267.74	254.04	185.26	182.21	197.42	227.51	239.78	239.41	228.84

施設利用率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022	2023
当該団体値（％）	42.0	40.97	41.1	41.3	40.27	39.97	39.83	42.13	41.0	38.87	45.77	38.67	38.73	36.63
類似団体内平均値（％）	76.67	77.15	73.5	72.52	58.66	55.22	54.89	56.21	46.62	44.81	49.82	47.11	46.05	42.74

水洗化率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022	2023
当該団体値（％）	88.78	89.39	89.83	90.15	90.17	91.3	92.29	92.49	92.81	92.85	92.87	93.09	93.18	93.62
類似団体内平均値（％）	78.98	79.55	80.29	80.99	81.16	81.7	81.65	86.41	85.99	86.24	92.65	92.2	91.18	91.29

経営の健全性・効率性について

単年度の収支を示す収益的収支比率については、直近5年において右肩上がりとなっており改善傾向に見られるが、これは地方債償還金が順次完済されていることによるものであると考えられる。使用料収入については、令和元年10月1日の消費税率の改定により使用料単価が消費税率分（2％）上がっているにも関わらず減少傾向にあり、今後も人口減少や住民の節水志向により減少していくことが見込まれる。企業債残高は類似団体平均と比較して低いが、今後予定している汚水処理施設の改築更新による借入金が増加していくことが見込まれる。しかしながら、汚水処理施設建設当時に借入れた債務が順次完済されるため、企業債残高は一定の水準で推移していくと考えられる。経費回収率は100％を下回っており、汚水処理費用を使用料収入で賄えておらず、類似団体平均と比較しても低い状況である。接続率は93.6％と高く今後も大幅な増収は見込めないため、より一層汚水処理費の縮減に努め、それでもなお汚水処理費用を使用料収入で賄えない場合は施設の運転方法の見直しや使用料改定を含め検討していかなければならない。

管渠改善率

年度	2010	2011	2012	2013	2014	2015	2016	2017	2018	2019	2020	2021	2022	2023
当該団体値（％）	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	0.12	0.12	0.12	0.06	0.04	0.07	0.1	0.27	0.08	0.03	0.1	0.08	0.02	0.0

老朽化の状況について

下水道処理施設については、供用開始から36年経過しており、汚水処理施設の老朽化が著しい。近年、修繕料などの維持管理費は増加傾向にあり、汚水処理原価は今後さらに増加していくことが予想される。そのため平成25年度に処理施設の長寿命化計画を策定し、平成26年度から改築更新を実施している。また、令和3年度にはストックマネジメント計画を変更し、今後はストックマネジメント計画に基づく改築更新を実施していく予定である。汚水管路施設については、汚水処理施設と同様に供用開始から36年経過しているが、順次管渠内のカメラ調査を実施しており、不具合箇所の修繕を実施している。また、今後はストックマネジメント計画に基づく点検・調査等を実施していく予定である。なお、現在大きな不具合は発生していない。

全体総括

水洗化率は類似団体平均と比較して高い水準であるが、使用料収入については今後の人口減少、住民の節水志向に伴い、今後も減少していくことが予想される。処理施設の老朽化のため、今後はストックマネジメント計画に基づく改築更新を実施予定だが、改築更新には多額の費用がかかり、その借入金の償還により経営を圧迫していくと考えられる。これまで減少傾向であった企業債残高が改築更新の実施に伴い一定の水準で推移していくと考えられることから、より一層、維持管理の節減に努めなければならない。また、施設利用率については、建設当時の行政人口、観光人口の伸びを見込んで処理能力を決定していたが、昨今の人口減少や節水志向により50%を下回っている。この処理区はすでに面整備が完了しているため、他処理区の面整備を進め、その汚水を取り込むことで施設の有効利用を図っていきたい。