経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率:総収益については、毎年接続率が増傾向であるため、増額となっているが、それを上回って地方債償還等の支出があり、赤字を示す傾向にあります。健全な経営のために、下水道使用料と支出の見直しの検討を行う必要があります。④企業債残高対事業規模比率:本町の数値が未反映のため分析不可能となっています。⑤経費回収率:当該指標は100%以上を示すことが求められますが、それを20%下回っており使用料で回収するべき経費を使用料以外で賄っている状態が明らかとなっています。しかし、他類似団体に比較しては、7%上回る結果となっています。⑥汚水処理原価:類似団体や全国平均より比較的低い値を示しており、効率的な汚水処理が実施されていると考えられます。⑧水洗化率:本年度は集計方法を変更したため、昨年度以前との比較は難しいが、本年度の数値が実質の数値です。集計方法の見直しを図ったH28年8月と年度末を比較すると接続人口で7.9ポイントの増となっており、順調な伸びを示しています。
老朽化の状況について
③管渠改善率:本年度の本町の数値は示されていないが、現在までのところ老朽化による問題は生じていません。引き続き、適正な維持管理を進めていく必要があります。
全体総括
本町の下水道事業は、現在赤字ではないが、それも他会計からの繰入れや、起債に依存している実態が明らかになっています。好材料としては、本町の人口増及び下水道の面整備の推進により下水道接続率の上昇傾向が今後も予想されることです。但し、本町の公共下水道の供用開始から30年余を経過していることから、今後の管渠の更新を予測した経営をすべき時期が到来しているとも考えられます。それらを考慮すると、持続可能な下水道事業のためには、接続率の向上、下水道利用料の見直し、支出の適正化を踏まえた検討が必要です。