経営の健全性・効率性について
沿岸部1施設、離島部3施設の4施設を持つ事業であり、⑦施設利用率、⑧水洗化率は類似団体平均より高いものの、経済性や効率性はやむを得ず低くなり、一般会計からの繰入に頼らざるを得ない状況である。着実に減少していた④企業債残高対事業規模比率については、平成27年度から施設の改築更新に伴う借り入れにより増加している。また、⑤経費回収率⑥汚水処理原価は維持管理経費の減少により前年より改善している。今後、施設の改築更新を行うことで修繕費等の維持管理費用は抑制する方針であるが、元利償還金は増加する見込みである。沿岸部1施設については、今回の改築で公共下水道の終末処理場へ接続し汚水処理を行うこととしているが、離島部3施設については、離島であるがゆえに施設の統合も不可能な状況である。本市が離島の活性化・定住化を推進している中で、離島部のみ使用料を上げることは困難であり、できる限り経費削減に努める方針である。
老朽化の状況について
海に近い立地から塩害による損傷が著しく、施設の改築更新が急務となっている。マンホール蓋については、防食蓋への更新が必要な状況であり、平成27年から取替工事を行っている。また、供用開始(平成元年)以来、25年以上経過し老朽化が進む大島下水処理場については、平成28年度から改修工事を行っている。
全体総括
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群で世界遺産登録を受けた本市にあって、海洋資源と自然を守る重要な施設であり、経営は一般会計からの繰入に頼らざるを得ない状況だが必要不可欠な事業である。引き続き維持管理費の適正化に努め、事業運営を行っていく。