飯塚市：飯塚市立病院

地域において担っている役割

飯塚市立病院は、飯塚保健医療圏における中核的病院として次のような役割を担っています。○地元医師会及び他の医療機関との緊密な連携を保持し、紹介率・逆紹介率の向上に努めています。○救急告示病院として、救急受入体制の強化等、救急医療への貢献を行っています。○へき地医療支援病院として、医療過疎に悩む地域への医療支援を行っています。○地域包括ケアシステムの拠点病院として、医療、介護、行政等関係機関との連携を図っています。

経営の健全性・効率性について

飯塚市立病院は指定管理者制度（利用料金制度）を導入しています。そのため本比率の一部は、病院への運営交付金及び施設維持管理費等の収支を行うために市が設置した病院事業会計と市立病院独自の収支会計との合算値となっております。病床利用率については、常勤医師が不在または不足している診療科があるため、減少傾向にあります。入院患者1人1日当たり収益については、施設基準の取得による単価増等により横ばいに推移しています。材料費対医業収益比率については、省エネ対策、シェアードサービスの活用等経費節減を行い改善傾向にあります。

老朽化の状況について

本比率は、本市固有の固定資産及び企業債等を充てて取得した固定資産についての値となっており、市立病院（指定管理者）が独自で取得した固定資産については含まれておりません。有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率は増加しております。飯塚市立病院ではH26年度に新棟建設を行いましたが、同院の前身の筑豊労災病院時からあります東棟（管理棟）北棟（リハビリ棟）につきましては取得後30年以上経過しているためR2年度に改修工事を行うこととし、R1年度に実施設計を行っております。器械備品についてはH23年度からH26年度にかけて購入・更新した医療機器のうち、耐用年数が経過したものもあり、今後経営状況を鑑みた更新計画の検討が必要です。

全体総括

病院事業会計では、市立病院（指定管理者）に対し、交付税措置分の運営交付金及び施設維持管理費等の交付を行っていますが、今後も交付金の精査を行い、適正な交付に努める必要があります。市立病院独自の単年度収支はH27年度から黒字決算を続けていましたが、R1年度の決算では、H28年度までに実施した一部建替事業等による企業債の償還が始まり、加えて医師不足等による患者数の減少により赤字となっております。今後予想される各所改修、医療機器更新等に係る経費の負担により、経営悪化（指定管理契約の解除）に陥る可能性も懸念されるため、救急患者の受入れと医師確保の取組強化、補助金等新たな財源確保等、市としての指導監査を含め指定管理者と協力し経営の安定化を目指し収入の確保を行っていきます。