経営の健全性・効率性について
①経常収支比率について103.61%となっており、昨年度と比較して増加している。下水道整備により接続可能となった区域の接続促進によって、下水道使用料が増収となったことによる。②使用料収入が見込みより増収となったことで、当年度純利益で累積欠損金をなくすことができた。③前年度からほとんど変化はないが、後年度においては単年度元金償還額が増加するため、流動資産の確保に努める必要がある。④企業債の公費負担については、現状では全額を公費負担している。今後、下水道整備が進んで接続率が上昇すれば使用料収入も増加して経営面でも公費負担を抑制させることができると予想されるため、公費負担額を減少させるよう、負担率の考え方について今後検討する必要がある。⑤前年度と比較して増加しており、使用料で賄えている割合が増えてきている。⑥有収水量が増加して汚水処理原価が低くなり、効率的な汚水処理が行われていることが分かる。⑦処理区拡大により利用率も増加しているが、未だ低い状態であり、区域拡大とともに接続率の向上に努める必要がある。⑧は微増ではあるが供用開始区域の拡大に従って水洗化率も上昇してきている。供用開始区域内での未接続者へは毎年「下水道の日」に合わせて戸別訪問を行っており、接続促進のため今後も継続して実施していく予定である。
老朽化の状況について
当町の公共下水道事業は供用開始から5年を経過して現在も管渠の整備中であるため、管渠の老朽化率はゼロである。また、管渠の修繕も発生していないため実績はゼロとなっている。しかし新たな事業管理計画においてマンホール内や管渠の定期点検を実施するよう定められており、腐食等による劣化が起こっていないか早期に発見して修繕等の対応ができるように、点検実施記録を作成する。
全体総括
処理区域拡大等により有収水量が増加したことで、経営指標は全体的に向上しているが、今後企業債の単年度償還額が増加することから、流動資産の確保に努める必要がある。また、未整備地域が多く残っていることから、継続して整備を実施しなければならず、それに伴う企業債残高も増加していくこととなり、事業経営において懸念される要素となっている。事業経営においては投資と回収のバランスが重要であり、そのためには社会情勢や財政状況等を考慮した定期的な事業計画の見直しが必要である。今後においてもこれらを考慮した中長期的な経営計画を策定することで、適正で健全な事業運営に努める。