経営の健全性・効率性について
本町の公共下水道事業は平成23年3月末に供用開始し、事業開始後間もないこともあり、経常収益については使用料収入のほか、一般会計からの繰入金により賄われている。④については、一般会計との間で経営補てんとして繰入を実施しており、明確に基準を設けて企業債償還のための繰入をしているわけではないが、これまでの繰入額が元金償還額以上となっているため、比率はゼロとなっており、他会計で負担している状況となっている。⑤の経費回収率を見ると、数値が100%を下回っていることから経常費用が使用料収入以外の収入で賄われていることが分かる。平成26年度末時点では下水道普及率が20.85%であり、料金改定のタイミングにはまだ達していないと考えられるため、当面は使用料収入と一般会計からの繰入金により経常収益を賄い、利用者の負担の公平性についても考慮しながら、下水道整備をすすめる中で、使用料の増収につながればと考える。⑦については、供用開始エリアの拡大に伴い利用率は緩やかに増加すると予想されるが、区域内の集合住宅・団地等人口密度の多い区域は整備済みであり、今後の1日あたり処理水量の増加に期待したい。⑧は平均値よりやや低い状況であり、未接続者への戸別訪問を毎年実施しており、今後も接続率の向上に向けた取組を継続して行う。費用対効果を検証しながら、将来整備について検証していきたい。
老朽化の状況について
供用開始後間もないため、処理場及び管渠においての老朽化率はゼロである。しかしながら、事業管理計画においては管渠やマンホールの点検を盛り込むこととされている。特に管渠内部やマンホール内部は通常、目視での確認が難しい部分であり、もし異常があった場合にも早期に対応できるよう、定期的な点検を行い、適正な維持管理に努めたい。
全体総括
本町の公共下水道事業は整備途中であり、供用開始区域を順次拡げていっている状況であることから、補助金・企業債・一般会計からの繰入れなど特定財源に頼る部分が大きい。さらに、人口減少など、今後有収水量が伸び悩むような不安要素もある中、どのように新たな管渠を整備していくか、将来の見込を立てていくことが課題である。快適な生活環境の維持・改善のため、下水道整備の必要性について住民の方々の理解を得ながら健全な事業運営に努めていきたい。