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長引く景気低迷、過疎化による個人・法人市民税の減収、地価の下落による固定資産税の減収などから0.34と類似団体平均を0.06下回っている。退職者不補充など定員の適正管理や再任用職員の活用により人件費の抑制、指定管理者制度の積極導入、投資的経費の抑制等、歳出の徹底的な見直しを実施する。また、税収の徴収率向上対策、債権管理室による税外債権の回収、市有財産の売却、広告事業、ふるさと納税のPR強化等の歳入確保に努める。
経常収支比率は、平成24年度から90%台で推移し、令和元年度は94.0%と類似団体平均を0.3ポイント上回っている。人件費・扶助費・公債費の義務的経費については、いずれも類似団体平均を下回っているが比率が高くなっているのは、市で自治体病院を抱えていることによる繰出金や公共下水道の整備率が高いことに伴い下水道事業会計へ公債費の繰出金が多くなっているためである。今後、経常経費の中で構成比が大きい人件費については、退職者不補充など定員の適正管理や再任用職員の活用による抑制に努め、繰出金については、全ての特別会計で経費支出の効率化に努める。
投資的経費の増加に伴う事業費支弁人件費の増加により前年度に比べ9,797円増加し、類似団体平均を3,304円上回っている。人件費のうち職員給については、類似団体平均を下回り、定員管理計画の成果が表れているが、物件費については平均を上回っている。これは、八幡浜市行政改革大綱に基づき、業務の民間委託を推進し、職員人件費等から委託料(物件費)へシフトしていることや職員数の削減により臨時職員が増え、賃金(物件費)が増加していることが要因となっている。今後も民間委託が可能な業務については適宜見直しを行う。
現行の給料表は人事院勧告を完全実施し、手当の見直し等を行っており、ラスパイレス指数は類似団体平均とほぼ同じ数値となっている。人事評価制度の導入などにより、職務・職責に応じた給与構造への転換を図り、今後も類似団体平均水準を維持する。
類似団体平均を1.00人下回っており、定員適正化計画の成果が表れている。定員適正化計画(計画期間:平成17年度~22年度、22年度~26年度、27年度~令和元年度)において、93人の削減を行い、合併(平成17.3.28)以降、退職者の不補充等により目標数値以上に職員数を削減してきたが、過剰な職員数の削減は住民サービスの低下を招くおそれがあるため、今後は、定員適正化計画(2年度~6年度)に基づいて中長期的な視点で職員採用を実施し、適正な人員配置に努める。
平成21年度まで17.0%前後であった比率は、22年度から資本費平準化債を発行したことにより改善され、その後は安定している。令和元年度は、既発債の償還終了に伴う元利償還金の減少等により9.6%と前年度から0.5ポイント改善されたものの、類似団体平均では0.1ポイント上回っている。令和3年度にかけて実施する耐震フェリー桟橋整備事業が終了後は、事業の優先度・必要性を厳しく精査するとともに、過疎債等の交付税措置率の高い起債を優先発行し、比率の急激な上昇を抑制する。
平成21年度まで150%前後であった比率は、22年度から資本費平準化債の発行により下水道事業への繰出金を抑制したことで飛躍的に改善された。令和元年度は前年度の保内総合児童センター建設事業などの大型事業が終了したことにより起債発行が抑えられ77.8%と3.1ポイント改善されたものの、類似団体平均では28.8ポイント上回っている。今後は、令和3年度にかけて実施する耐震フェリー桟橋整備事業等の大型事業により地方債現在高が増加し、比率は上昇する見通しであるが、4年度以降は投資的経費を縮小し、地方債現在高の縮減に努める。
令和元年度については、退職者数の減に伴う退職手当の減少により、人件費に係る経常収支比率は前年度に比べ0.6ポイント改善したうえ、定員適正化計画により人員削減を行ってきたため、類似団体平均では4.6ポイント下回っている。今後数年間は退職者が比較的少ない年が続く見込みであるが、退職者不補充など定員の適正管理や再任用職員の活用により人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率が類似団体平均より高くなっているのは、八幡浜市行政改革大綱に基づき、業務の民間委託を推進し、職員人件費等から委託料へシフトしていることや職員数の削減により臨時職員が増え、賃金が増加していることが要因である。南環境センター運転管理業務、ゴミ収集運搬業務等の清掃費関係、養護老人ホーム管理、市民スポーツセンター管理が民間委託の主なものであり、今後も積極的に進めていく。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均以下の水準で推移している。これは、社会福祉、児童福祉、老人福祉において、各分野とも人口減少により給付も減少しているためと考えられる。
その他に係る経常収支比率は前年度に比べ7.5ポイント減少している。これは、下水道事業が令和元年度から公営企業会計に移行し、繰出金の性質が繰出金から補助費等に変更になったことが主な要因である。類似団体平均を2.0ポイント下回っているが、高齢化による介護保険事業会計への繰出金が増えることが予想され、今後は、介護保険料の適正化を図る。
補助費等に係る経常収支比率は前年度に比べ6.9ポイント増加している。これは、下水道事業が令和元年度から公営企業会計に移行し、繰出金の性質が繰出金から補助費等に変更になったことが主な要因である。また、類似団体平均より高くなっているのは、公共下水道の整備率が高いことに伴い、下水道事業会計への公債費の繰出金が高い水準で推移していること及び市立八幡浜総合病院への負担金が多額になっているためである。下水道への繰出金、病院への負担金は地域住民の安全安心のために必要なものであるが、年々増高する補助費等を抑えるため経営改善の努力を促す必要がある。補助金については、補助団体の活動・運営状況等を的確に把握し、廃止・縮小などの見直しを図る。
公債費に係る経常収支比率は、類似団体平均を1.7ポイント下回っている。過去の大型事業の償還終了により元利償還金額は減少しているが、保内総合児童センター建設事業、耐震フェリー桟橋整備事業等の償還が始まることにより、今後は公債費の増加が見込まれるため、起債の新規発行を伴う普通建設事業を抑制し、臨時財政対策債を除く起債発行額を原則として元金償還額より抑える方針とする。
公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体平均を2.0ポイント上回っている。委託料等の物件費2.2ポイント、公共下水道、市立八幡浜総合病院への負担金等の補助費等10.5ポイントなどが主な要因である。経常収支比率を改善するには、経常一般財源の増加も大きな要因となるため、市税の収納率向上や市有財産の売却等、歳入確保に努める。
(増減理由)前年度と比較して131百万円増加しているが、これは、決算剰余金の1/2を積み立てたことによる財政調整基金の増及び令和元年度に売買された旧土地開発公社の土地売払い代金を減債基金に積み立てたことによるもの。(今後の方針)当市は財政力が弱く、交付税等の動向に大きく左右されるため、今後も厳しい財政状況を見込んでいる。各種基金の有効活用を図り、将来の財政需要、経済情勢の変化に備え、財政の健全な運営を図る。
(増減理由)前年度と比較して165百万円増加しているが、これは、地方財政法第7条に基づき決算剰余金の1/2を積み立てたことによるもの。(今後の方針)今後も、人口減少に伴う市税や交付税の減少を見込んでおり、また、災害等の予期せぬ事態に備えて、将来を見据えた適正な水準を維持するよう努める。
(増減理由)前年度と比較して13百万円増加しているが、これは、土地開発公社解散にあたって、市の代位弁済の原資として第三セクター等改革推進債を借り入れた際、借入の条件として、土地開発公社から市へ所有権移転された土地が売却された場合、減債基金へ積み立てることとしており、令和元年度に売買された旧土地開発公社の土地売払い代金を減債基金へ積み立てたもの。(今後の方針)市債の償還に必要な基金であるため、繰上償還等が発生した場合は同基金を活用し、財政の健全な運営を図る。
(基金の使途)地域振興基金:八幡浜市における市民の一体感の醸成及び地域振興を図る。地域福祉基金:本格的な高齢社会を迎え、地域における高齢者等の保健及び福祉の増進を図る。(増減理由)地域振興基金については、小学校遊具改修工事等へ充てたことによるもの。地域福祉基金については、地域における高齢者等の保健及び福祉の増進を図るため、民間団体・ボランティア団体へ助成したもの。(今後の方針)地域振興基金については、新市建設計画に位置付けられた事業の推進を図る財源として活用を検討していき、その他の特定目的金についても、それぞれの目的に応じて適切な活用を図る。
有形固定資産減価償却率は、類似団体平均をわずかに下回っているものの、施設類型別で比較すると、橋りょう・トンネル、学校施設、保健センター・保健所については類似団体平均を大きく上回っている。今後、施設の更新については、固定資産台帳等を活用し、施設の経年状況等を比較・分析しながら、中長期的な視点で検討する。
現在実施している耐震フェリー桟橋整備事業などの大型事業により、地方債現在高は高い水準で推移しており、債務償還比率は類似団体と比べると高くなっている。地方債借入の際は、事業の重要性を精査し、臨時財政対策債、災害復旧事業債等を除く地方債について、原則として発行額を元金償還額以下に抑える方針で取り組んでいく。
当市の将来負担比率、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を上回っている。将来負担比率については、市立八幡浜総合病院改築事業や耐震フェリー桟橋整備事業、防災行政無線デジタル化事業等の大型事業の実施に伴う地方債の発行により、高い水準で推移しており、今後も大型事業の継続等により、当面この傾向は続くものと予想される。有形固定資産減価償却率は、橋りょう・トンネル、学校施設、保健センター等の老朽化比率が高いことが要因と考えられる。今後、施設の更新については、固定資産台帳等を活用し、施設の経年状況等を比較・分析しながら、中長期的な視点で検討する。
将来負担比率については、市立八幡浜総合病院改築事業や耐震フェリー桟橋整備事業、防災行政無線デジタル化事業等の大型事業の実施に伴う地方債の発行により、高い水準で推移しており、今後も大型事業の継続等により、当面この傾向は続くものと予想される。実質公債費比率については、既発債の償還が進んだこと、合併特例事業債や過疎対策事業債等の交付税算入率の高い地方債発行の割合が増えていることにより、減少傾向となっている。地方債発行額を元金償還額以下に抑える方針を原則とし、交付税算入率の高い地方債の発行を優先し、将来負担比率及び実質公債費比率の改善に努める。
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