収益等の状況について
①収益的収支比率については、100%以上で収支は黒字であるが、料金収入の減少により、収益的収支比率も減少傾向にある。繰入金等もなく②他会計補助金比率と③駐車場一台当たりの他会計補助金額は0で、④売上高GOP比率も類似施設平均値を上回っており、健全な経営ができていると言える。ただし、⑤EBITDAについては、類似施設の平均値を下回っている。これは、当該駐車場の利用者の大半が、隣接する市役所や商店街利用者であるため、利用者数が少なく総収益が低いことが考えられる。なお、平成27年度の指定管理者の変更に伴って当該駐車場にかかる人件費が削減できたことにより、①収益的収支比率、④売上高GOP比率、⑤EBITDAの数値は増加している。
資産等の状況について
老朽化が進み、消火設備や外壁の改修工事など、大規模改修工事に多額の費用がかかるため、⑧設備投資見込額が高くなっている。当該駐車場周辺は市庁舎等複合施設の整備に伴い大幅に再編される予定であるため、今後は当該駐車場の施設のあり方についても検討する。⑩企業債残高対料金収入比率については、企業債残高はないため、0である。
利用の状況について
⑪稼働率については、類似施設平均値を大きく下回り、低下傾向にある。これは、当該駐車場周辺に民間の割安なコインパーキングが増加したことによるものと考えられる。また、当該駐車場はこれまで、隣接する市民会館利用者が利用する駐車場であったが、平成28年度で市民会館が閉館になったことにより、利用者数が減少していることも稼働率が低下している要因である。利用率向上のため、平成30年度において営業時間の24時間化に取り組む。
全体総括
現在、収支は黒字で経営自体に問題はない。しかしながら、当該駐車場は市民会館の閉館により利用者数が減少傾向にあり、黒字幅の縮小が予想される。また、平成32年度には市民会館跡地へ市庁舎が建て替えられることとなっており、当該駐車場周辺は大幅に再編される予定である。この再編整備にあわせて、施設のあり方や長期的な駐車場需要を見通したうえで、経営戦略の策定を進めてまいりたい。