収益等の状況について
①収益的収支比率については、料金収入の減少及び工事費の増加により前年度に比べ低下したが、100%以上であり、収支は黒字である。繰入金等もなく、②他会計補助金比率と③駐車場一台当たりの他会計補助金額は0である。④売上高GOP比率については、工事費の増加により低下したものの、平均値とほぼ変わらず、健全な経営ができていると言える。⑤EBITDAについては、類似施設と比較して低い数値となっているが、これは当該駐車場の利用者数及び利用収入が低いことによるものである。最大料金を設定したことで、料金収入が下がり、さらに数値が低くなっている。
資産等の状況について
耐震性が低く、老朽化が進んでおり、今後は改修による存続や廃止・撤去も含めた施設のあり方について検討する。補修・改修等に多額の費用が見込まれることから、⑧設備投資見込額が高くなっている。⑩企業債残高対料金収入比率については、企業債残高はないため、0となっている。
利用の状況について
当該駐車場は大規模な駐車場であるが、施設規模に対して利用者数がかなり少ないため、⑪稼働率が類似施設の平均値よりも大きく下回っている。これは、隣接する商店街の衰退に伴って、当該駐車場利用者数が激減したことによるものである。当該駐車場は、平成29年度から営業時間を24時間化、入庫から1時間以内を無料とし、駐車の開始時刻から24時間以内の最高金額を500円に設定するなど、利用率の向上に向け取り組んでおり、利用者数は増加傾向にある。また、最高金額を500円と設定したことで、駅前地下駐車場(最高金額1,000円)利用者が福島駐車場を利用するようになり、駅前地下駐車場の混雑緩和にも繋がっている。
全体総括
現在、収支は黒字で経営自体に問題はない。最高金額を設定したことで利用者数は増加傾向にあるが、料金収入は減少傾向にあり、加えて、施設の老朽化に伴って更なる設備投資が見込まれることから、黒字幅の縮小が予想される。引き続き、指定管理者と連携し、駐車場の利用促進を図るとともに、施設のあり方を検討する中で、経営戦略の策定についての議論を進めてまいりたい。