経営の健全性・効率性について
○収益的収支比率は、流域構成団体からの負担金が減少する一方で、地方債償還金が減少しないことにより100%未満となっている。今後は、維持管理経費等の削減に努め、当該指標の改善に努める必要がある。○企業債残高対事業規模比率は、全国の平均より高くなっているが、平成23年度から着手した施設増設工事の影響である。当該指標に留意しつつ、今後の長寿命化工事等必要な更新を実施していく。○汚水処理原価は、年間有収水量は増加しているものの、汚水処理費用は一定の費用で推移しており、改善傾向を示していることから、指定管理者制度導入の効果が表れているものと思われる。○施設利用率は低いものの、処理能力の基になる晴天時1日最大汚水量は、処理能力の約7割に達している。○水洗化率は全国平均より高いが、当該指標を向上させるには関係市町の面整備の進展によるため、市町事業への助言等を通じて更なる改善を図る。
老朽化の状況について
管渠は供用開始から29年を経過しているものの、点検により修繕等が必要な箇所は確認されていない状況である。今後は、予防保全の考え方を基に管渠の健全度を確保しながら、老朽化対策費用の平準性を考慮した長寿命化計画を策定の上、維持管理を進めていく。
全体総括
総収益対総費用比率は108.6であることから、維持管理費用に要する収益は十分確保されているものの、企業債償還に必要な財源が不十分である。その一方で、企業債残高対事業規模比率は平均よりも大きい傾向があることから、企業債残高を負担金収入に見合う程度の適正規模にコントロールする必要がある。当該指標に関して急激な改善は見込みがたいが、今後も関係市町と協力して普及率、接続率向上に努めるとともに、効率的な投資を行ながら維持管理経費の削減を進めることにより、適正な収益の確保に向け引き続き取り組む。